『木に縁(よ)りて魚(うお)を求む』 
―縁木而求魚―


                                    

<孟子>

木によじ登って魚を取ろうとすること。手段、方法が間違っていたのでは目的を達することができないという譬えである。

孟子が斉の宣王に遊説したときのことである。宣王は武力による天下の統一を夢見て野心満々であった。その宣王に向かって、武力によって統一をはかろうとするのは、木に縁(よ)って魚を求めるような愚作ですぞと、この言葉を引いて諌めたのである。

宣王としては納得がいかなかったらしい。 「武力を使うのは、それほど馬鹿げたことであろうか」と反問したところ、孟子はこう答えている。「いや、それ 以上です。木に縁りて魚を求める、これはまだいい。魚がとれないだけで災難は招きません。しかし、武力を使って野望を果たそうとすれば、全力を尽した挙句、手ひどい目にあうのがオチです。」

※ 折角立派な目標を立てても、手段方法をあやまったのでは、こんな結果になるのである。

 

茶臼山古墳的 日々是好日-t02200304_0376052011084550423  中国古典一日一言 (PHP文庫 モ 1-4) [文庫]

  守屋 洋 (著)
  文庫: 409ページ
  出版社: PHP研究所 (1987/12)
  ISBN-10: 4569563805

  ISBN-13: 978-4569563800