『人、一たびしてこれを能くすれば、己(おのれ)これを百たびす』
―人一能之、己百之―
<中庸>
他の人間が一回でできたことを、自分は二回、三回とトライしても、なかなか達成できない。だが、諦めてはいけない。百回も挑戦すれば、どんなことでも必ずや遂げることができるというもの。「頑張リズム」のすすめである。『中庸』は、こう語ったあとで、さらにつぎのように記している。
「はたしてこの道を能くせば、愚といえども必ず明らかに、柔といえども必ず強なり」
こういうやり方で努力すれば、どんな愚者でも賢明になるし、どんな弱者でも強者に変身することができるというのだ。
とかく易きにつきたがる現代では、こういう 「頑張リズム」は敬遠されるかもしれない。楽をしたいという気持ちもわからないではないが、しかし、そればかり願っていたのでは、この短い人生、何も出来ないで終わってしまうだろう。
※ 頑張り所では、やはり、「これを百たびす」の精神がほしいところだ。
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800