『麒麟(きりん)も衰うるや、駑馬(どば)これに先立つ』

―麒麟之衰也、駑馬先之―

 

 

<戦国策>

「麒麟」とは、現在言うところのキリンではない。一日に千里も走るという駿馬である。「麒驥(きき)」ともいう。「駑馬(どば)」とは並みの能力しかないごく平凡な馬。ことばの意味は説明するまでもあるまい。むかしから諺としてよく使われていたらしい。

 

現代でも、よく「老害」ということばを聞く。衰えは、馬の場合には足にくるが、人間の場合は頭にくる。思考が硬直して、柔軟な対応ができなくなるのだ。努力によってよくそれを克服している老体もいないではないが、多くはそういう欠点を免れない。

 

平常時なら、そんなリーダーでもかまわないが、問題は非常時だ。日本開戦のとき、日本海軍の第一指揮官はいずれも老齢で、作戦指導にとかく柔軟な対応を欠きがちであったといわれている。

 

※ 現代の社会でも、同じようなことが指摘できるかもしれない。

 

茶臼山古墳的 日々是好日-t02200304_0376052011084550423  中国古典一日一言 (PHP文庫 モ 1-4) [文庫]

  守屋 洋 (著)
  文庫: 409ページ
  出版社: PHP研究所 (1987/12)
  ISBN-10: 4569563805

  ISBN-13: 978-4569563800