『笑って答えず、心自ずから閑なり』
―笑而不答心自閑―
<古文真宝>
唐代の詩人李白の「山中答俗人」(山中にて俗人に答う)と題する詩の一節である。
まず原文を示そう。
問余何事栖碧山 : 余(われ)に問う何事か碧山に栖(す)むと
笑而不答心自閑 : 笑って答えず 心自ずから閑なり
桃花流水杳然去 : 桃花流水(とうかりゅうすい)杳然(ようぜん)として去り
別有天地非人間 : 別に天地の人間(じんかん)に非(あら)ざるなり
世間の人々はどうしてこんな山奥に住んでいるのか、と訊ねる。私はただ笑って答えないが、まことにのんびりと、この環境を楽しんでいるのだ。
ごらん、桃の花びらが川面に浮かんでゆったりと流れ去り、俗世間とはまったく異なる風情があるではないか。
※ 時には、こんな一時(ひととき)をもってみたいものだ。
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800
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