『先ず和して而る後に大事を造(な)す』
―先和而後造大事―
<呉子>
『呉子』の注に、「和」 とは 「衆心の一致なり」 とある。組織の意志統一と言ってよい。大きな仕事を成し遂げるためには、これが欠かせないというのだ。
「和」には、二つのことが含まれている。
第一に、経営トップの意志が末端まできちんと浸透していることだ。これは言うまでもないが、もう一つ忘れてならないのは、下からの支持である。下の者が受動的に上の決定を受け入れるのではなく、自発的な意欲をもやせるようなかたちでの 「和」 であることが望まし い。
命令や強制だけでは、「和」 は生まれてこない。
『呉子』は
「むかしから名リーダーは、先ず部下を教育し、部下の団結をかちとることにつとめてきた。」 と語っている。ふだんの教育訓練なくして 「和」 は生まれないということだ。
※ こういう意味でも、社員研修はもっと見直されてしかるべきなのかもしれない。
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800
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