『軍に将たるの事は静にして以って幽なり』
―将軍之事、静以幽―
<孫子>
これもリーダーの心構えについて語った言葉である。「軍に将たるの事」 とは、軍を率いるときの心構えである。それは何かと言えば、「静」 であり 「幽」 であることだという。
「幽」 とは、測りきれないほど奥が深いという意味である。つまり、リーダーというのは、もろもろの謀(はかりごと)を胸の奥に深く秘めてじっくりと構え、やたらに軽挙妄動したり、不安動揺を外に現したりするなというのだ。
これのメリットは、言うまでもなく危機管理に強くなることだ。組織がピンチに陥ったとき、部下は真っ先に上の者の顔色をうかがうものなのだが、そんなとき、上に立つものがあわただしく動き回ったり、いかにも不安げな表情を浮かべたりしていたのでは、組織の動揺はいよいよ大きくなっていくに違いない。
※ リーダーはいつも冷静沈着であれ。そうあってこそ組織を掌握し、部下の信頼をかちとることができるのだという。
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800
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