『聖人の治は民に蔵して府庫に蔵せず』
―聖人之蔵於民府蔵於府庫―

                                    

<韓非子>

むかし、みずからの牙の重さに耐えかねて自滅したマンモスがいたという。現代でも、国民の生活を犠牲にして軍拡路線をひた走る国は、同じ恐れがないとは言えない。

聖人の政治というのは、そんな愚かなことをしない、なによりも国民の生活を優先させ、国民の支持をとりつけることを最重点課題にするのだという。

「民に蔵して府庫に蔵せず」とは、そういう意味である。たしかに国の基盤を固めるためには、軍備を増強するよりも生活の安定をはかり、無形の支持を高めるほうが正道なのかもしれない。

これは企業経営についても同じことが言えよう。社員の生活を犠牲にして利益を蓄積するようなやり方は長続きしない。あがった利益をきちんと還元してこそ、社員のやる気が引き出せるのである。

※ これはまた、物よりも人を大切にする思想だといってよいかもしれない。

 

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