『世に伯楽あり、然る後に千里の馬あり』
―世有伯楽、然後有千里馬―

 

<文章軌範>

「伯楽」は、中国にいたといわれる馬を鑑定する名人。馬喰 (博労)の語源。「千里の馬」は一日に千里も走るといわれた駿馬である。

こんな説話がある。ある男が駿馬を売ろうとして三日も市に立ち続けたが、一人として目を留めるものがいない。男は、伯楽のところに行って頼み込んだ。

「どうか市においでになって馬のまわりをまわってごらんになり、去り際にもう一度ふり返って見ていただけませんか。御礼はたっぷりとさせていただきますから」

伯楽は、馬のまわりをまわりながらつくづくと見つめ、去り際に振り返ってもう一度見つめた。すると、馬の値段はたちまち十倍にもはね上がったという。

※ このように、千里の馬は伯楽がいてこそ見出されるのである。人間も同じことだ。どんなに才能があっても、それを見出してくれる伯楽に出会わなかったら、世に出ることはむずかしい。 

 

茶臼山古墳的 日々是好日-o0376052010223407287 中国古典一日一言 (PHP文庫 モ 1-4) [文庫]

  守屋 洋 (著)
  文庫: 409ページ
  出版社: PHP研究所 (1987/12)
  ISBN-10: 4569563805
  ISBN-13: 978-4569563800

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