『国士無双』
―国士無双―
<史記>
国士という言葉は、もはや死語になったのかもしれない。むかし、と言っても戦後のことであるが、ある雑誌が 「日本の国士」 という特集をしたことがあった。しかし、並んでいる顔ぶれは、学者、評論家のたぐいで、その線の細さに苦笑を禁じえなかった記憶がある。
かりに、今同じような特集をしたならば、もっと違和感が強いかもしれない。ということは、国士のイメージに相応しい人物は日本の社会からはほぼ完全に姿を消したということであろう。
「国士無双」 と言う言葉も、今ではマージャン用語として残るのみだ。
ちなみに…
「国士」 とは、国を背負って立つような大人物。
「無双」 とは、ふたりとない。
という意味だ。
もともとは、漢の高祖劉邦に仕えた韓信(かんしん)という将軍を評したことばである。
※ しかし、考えてみれば、国士のような人物が現れて国をリードするような時代は、あまりいい時代とは言えないのかもしれないのかもしれない。 「くたばれ、国士!!」である。
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800
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