『草創と守成といずれか難き』
―草創与守成熟難―
<貞観政要>
名君と知られる唐の太宗が、あるとき、重臣たちを集めて、「帝王の業、草創と守成といずれが難きか」 と、訊ねたことがあった。「草創」 は創業、「守成」 は、成るを守る。で、すでに出来上がったものを守っていくことだ。
一人の重臣は草創のほうが難しいと答え、もう一人の重臣は守成のほうが難しいと答えた。二人の言い分を黙って聞いていた太宗は、やがておもむろに口を開き、二人それぞれに理のあることを認めた上で、こう語った。
「翻って考えれば、草創の困難はもはや過去のものとなった。今度はそちたちとともに、心して守成の困難を乗り越えていきたい」
こうして太宗は異常な決意をもって守成の時代に対処するのであるが、その苦心経営ぶりは 『貞観政要』という本に纏められている。
※現代の守成の時代を担っているリーダーも、太宗の苦心に、是非とも学んでほしいものだ。
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800
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