『衆心は城を成し、衆口は金を鑠(と)かす』
―-衆心成城、衆口鑠金―
<国語>
大勢の人間が心を合わせれば、城も築けるような大きな力を発揮する。大勢の人間が口を合わせれば、金も溶かすような恐るべき力となる。
前者は良い意味で使われるが、後者の 「衆口」 は、人の噂や非難中傷の類で、恐ろしいと言ったニュアンスで使われる。
この 「衆心成城、衆口鑠金(しゃくきん)」 という言葉は二千数百年まえから諺のように使われていたらしいが、現代でも、そのままのかたちで使われている。珍しい例と言ってよいが、それだけ、この言葉の語っている内容が時代を超えた普遍性をもっているということであろう。
※ 「衆心成城」 、これは良い。問題は 「衆口鑠金」のほうだ。日本でも 「人の噂に戸を立てられない」という。非難中傷にしても、ちゃんとした事実に基づいたものなら致し方ないが、根拠のないものも結構多い。それで、一生を狂わされたりする例もあるから、はなはだ厄介だ。
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800
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