『天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ』
-先天下之憂而憂、後天下之楽而楽-
<文章規範>
憂うべき事態は人々が気づくまえに察知して解決に奔走し、楽しみごとは人々に楽しんでもらってから、自分はその後で楽しむ。略して「先憂後楽」といい、リーダーのあるべき心構えを語った言葉だとされている。
宋代の范仲淹 (はんちゅうえん)という政治家の書いた、 『岳陽楼記(がくようろうのき)』と題する文章の中に出てくる。
因みに范仲淹は、この文章を次のように結んでいる。
「廟堂の高きにおいては則ちその民を憂い、江湖の遠きに処(お)りては則ちその君を憂う。
これ、進むもまた憂い、退くもまた、憂う。
然らば則ち何れの時にか楽しまんや。
それ必ず天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむと曰(いわ)んか」
これは范仲淹 自身の決意表明であったわけだが、現代のリーダーにも同じことが望まれるであろう。
※ いつの時代でも、人々は 「先憂後楽」 型のリーダーが現れるのを待っているのである。
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800
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