『人に接しては則ち渾(すべ)てこれ一団の和気』
―接人則渾是一団和気―

 

                           

<近思録>

一見して冷たさを感じさせる人物とか、トゲトゲしい雰囲気をもった人物のもとには、人は集まってこない。人に好かれるのは、温かさをもった人物である。それがここにいう「和気」にほかならない。「和気」もまた人間関係を円滑にする重要な条件である。

しかし、いくら「和気」が必要だからと言って、取ってつけたような、上辺だけのものでは、かえって逆効果だ。そんなものは、簡単に見破られてしまうにちがいない。ほしいのは、内面からにじみ出てくる「和気」だ。

『菜根譚』も、こう語っている。

「寛大で心の温かい人は、万物をはぐくむ春風のようなものだ。そういう人のもとでは、すべてのものがすくすくと成長する。酷薄で心の冷たい人は、万物を凍りつかせる真冬の雪のようなものだ。そんな人のもとでは、すべてのものが死に絶えてしまう」

※ 心の温かさ、そしてそこからにじみ出てくる「和気」、これが人には必要なのである。

 

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