『窮もまた楽しみ、通もまた楽しむ』
―窮亦楽、通亦楽―
中国を旅行してまず感じるのは、生活レベルの低さである。「貧しいなぁ」と誰もが思う。
だが、もう少し注意深く観察してみると、人々はゆったりとした時の流れのなかで、それぞれが其々のやり方で人生を楽しんでいるかのごとくである。
たとえば、早朝の上海の街角。鳥籠をさげたお年寄りたちが三々五々集まってきては、お互いの鳥を自慢するかのように、鳴き声に耳を傾けている。あるいはそちらの空き地でのんびりと太極拳を楽しんでいる人々もいる。
其々の境遇に自足しながら、じっくりと人生を楽しんでいる姿が、そこにはあった。むろん、人生を楽しむためには、経済的に余裕のあったほうがよいかもしれない。しかし、お金がなかったら人生を楽しめないのかと言うと、そういうものでもあるまい。
※ 二度とない人生である。せっかく、人として生まれてきたのですから、生活のなかに自分なりの楽しみ方を発見し、じっくりと人生を味わいたいものですね。
因みに、私の場合、「現状に満足する」を基本としていますので「自足」という言葉が大好きです。
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800
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