『苛政は虎よりも猛し』
―苛政猛於虎―

 

                    

<礼記>  

孔子が弟子たちとともに泰山の麓のあたりを通りかかったときのことである。一人の女性が墓の傍でさめざめと泣き崩れているではないか。孔子は、しばらく泣き声に耳を傾けていたが、やがて子路という弟子をやってわけをたずねさせた。

「なんとも悲しげな声で泣いているが、いったいどうしたというのか」

「はい、昔、舅が虎に喰われ、ついでに夫が喰われ、いままた息子までが虎に喰われてしまいました」

「どうしてこんな土地から逃げ出さなかったのか?」

「ここに住んでいるかぎり、きびしい税金の取立てがございませんから」

孔子はこれを聞いて弟子たちに語ったという。

「お前たち、よく覚えておくがよい。『苛政は虎よりも猛し』ということを」

※ これは現代でも同じことかもしれない。悪い政治というものは、虎の害など比べものにな

     らないほど国民を苦しめるものですね。

 

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  守屋 洋 (著)
  文庫: 409ページ
  出版社: PHP研究所 (1987/12)
  ISBN-10: 4569563805
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