『軽諾(けいだく)は必ず信寡(しん・すくな)し』
― 軽諾者必寡信―
<老子>
「軽諾」というのは、軽々しく、「承知いたしました」などと返事をすること。つまり安請け合いである。したがって、このことばは「安請け合いは不信の元」とでも訳すことができよう。
われわれが犯しがちな過ちの一つが、この安請け合いである。前後の事情も考えず、その場の雰囲気につられて、「わかりました。なんとかしてみましょう」 と、つい相手に希望をもたせるようなことを言ってしまう。その結果、あとで自分で自分を苦しめることになるばかりでなく、相手の不信まで買ってしまう。よ く考えてみると、これほど割りの合わないことはない。
リーダーの場合、この「軽諾」のマイナスは、ひときわ深刻である。なぜなら、やたら「失言取り消し」をやっていたのでは、部下の信頼を得られず、みずからの威信にかかわってくるからだ。へたに雄弁であるよりも、寡黙を心がけたほうがよいのかもしれない。
※ この国の為政者にもあてはまりますね、でも口が滑っても責任を負っていないから、責任なんて取らなくていいのでしょうね…。
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800
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