『士は己を知る者のために死す』
―士為知己者死―
<戦国策>
春秋時代の末期、予譲 という男が晋の重臣の知伯に仕えて重用された。やがて知伯は政敵の趙襄子(ちょうじょうし)に滅ぼされる。このとき、予譲は山中に逃れ…
「ああ、士は己を知る者のために死し、女は己を愛する者のために化粧する。主君の怨みは必ず晴らすぞ」
と言って復讐を誓い、襄子をつけねらう。
だが、苦心の甲斐もなく捕らえられて、襄子のまえに引き据えられる。襄子が…
「おまえは、ほかにも仕えたことがあるのに、どうして知伯のためにだけ仇を報いようとするのか」と詰問したとてころ、予譲はこう答えたという。「ほかにも仕えたことは仕えたが、待遇は十人並みだった。だから十人並みに報いたまでだ。だが、知伯は、国士として遇してくれた。だから国士として報いるのだ」
※ この説話は、部下の心情を理解し、それを態度で示すことが相手のやる気を引き出すカギになることを教えているように思う。
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800
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