『我に諂諛(てんゆ)する者は吾が賊なり』
―諂諛我者吾賊也―


<荀子> 
「諂諛」は、こびへつらうこと。耳にここちよい甘いことばをもって近づいてくる者は、みな賊のようなものだという。なぜなら、ついその気になってのぼせあがり、自分を見失ってしまうからである。これはとくに人の上に立つ者は自戒しなければならないことだ。

おべっかや甘い言葉に弱いのは、人間の常である。きついことを言ってくる相手よりも、心をくすぐるようなことを言ってくる相手を引き立てたくなるのは、人間の自然でもある。現に、どんな組織でも、そういうケースが少なくない。

だが、リーダーがそれをやっていたのでは、二重の意味で不幸である。

第一に、自分をダメにしてしまう。甘い言葉だけ聞かされていたのでは、進歩も向上も望めないからだ。
第二に、それは軽重の判断を誤まる元であり、その結果、組織までダメにしてしまう。


茶臼山古墳的 日々是好日-t02200304_0376052011084550423
 中国古典一日一言 (PHP文庫 モ 1-4) [文庫]
 守屋 洋 (著)
 文庫: 409ページ
 出版社: PHP研究所 (1987/12)
 ISBN-10: 4569563805
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