夜くだちて浪音ばかり松の内 (高浜虚子)
 

七日正月という言葉がある。元日より七日目を正月の終わりと考え、ハレの日々は終わり、生活を日常に切り替える節目の日とした。

学校なども伝統的に八日を三学期の始業日としてきたのもこのあたりに理由があるのかもしれない。

関東では正月七日までを松の内、あるいは松七日といって、この日までは門松やしめ縄を飾り、七日の早朝に松送りをするのが習慣となっている地域が多いと聞くが、関西では十五日になって初めて松送りをするのが一般的である。



(松の内についてもう少し)

松の内というのはお正月の「松飾り」をつけておく期間をいいます。最近では1月の7日までのことをいうようですが、本来は"小正月"の15日までを「松の内」といいます。ちなみに1日は"大正月"といいます。

そもそも「松の内」とは新年に際し歳神様を迎えるために道しるべとして門ごとに門松が置かれますがこの松飾りのある期間のことを「松の内」といいます。神様が鎮座するための場所は鏡餅ですね。

年賀状も15日まではOKなのですが、喪中の時に出す寒中見舞いが6日からなのと、丁度七草粥を食べるのも7日なので、どうも7日でお正月は終わりという風潮です。

まー15日まで長々とお正月気分に浸ってもいられないということもありますし。お供餅を割る「鏡開き」も以前は20日に行われていたのですが最近では11日に行ないます。同時に農家の仕事始め「田打ち正月」も11日です。我が家の近所の田んぼも土を返していましたね。

ところで、お役目を終わった松飾りですが、その後どうしましょう?燃えるゴミで捨ててはいけませんよ。また庭先で燃やしてもいけません。最近は焚き火も条例で禁止ですから。

お役目を終わった松飾りは近所の神社の「どんど焼き」で燃してもらいます。「どんど焼き」はお正月のお飾りや書き初めなどを燃やし、その残り火で繭玉に似せたおだんごを木の枝に差して焼くという行事です。

このおだんごを食べると1年間風邪をひかないとか、書き初めは燃えかすが空高く飛ぶと字が上手になるとかいわれているようですね。