映画 『子供の情景』 | 映画 本 そして コーヒー

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映画と本 そして コーヒー-子供の情景




お勧め度  星星星星キラキラ


学校に行きたいと思っている6歳の少女バクタイ。
彼女は、学校へ行くために市場で卵を売り、何とかノートを手に入れた。
そして、心を弾ませて学校へ向かうのだが・・・
学校へ向かう途中にタリバンごっこをしている少年達に囲まれてしまうのだ!

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アフガニスタンのバーミヤン遺跡が爆破されるシーンで始まるこの映画。
主人公は、タリバンでもアメリカ軍でもなく、バーミヤン遺跡の側に住む少女です。
少女の眼を通じて、今のアフガニスタンの現状を明らかにしてゆきます。
映画 『子供の情景』 自分に憤りを覚えるかもしれません。


バーミヤン遺跡の爆破シーン、あの映像に憤りを感じたことを覚えてます。
しかし、この映画を観た後、自分自身の無知さに更なる憤りを覚えました。
この映画の主人公は、爆破された遺跡の横の洞穴で住む少女です。
学校に行きたいと思っている少女の目線で、現在のアフガニスタンを描いているのですが、
そこに描かれる世界は、あくまで、子供の世界なんです。
鬼ごっこやかくれんぼをするように、タリバンごっこをする少年達。
木で作った銃を持ち、少女達を監禁し、ノートも略奪をします。
しかし、少年達にとっては、それが日常なんですよね。
大人たちが起した戦争の中で生き抜く間に、否応なく不条理なことを受け入れている・・・
そんな現状をまざまざと見せ付けられたような気がしました。
バーミアン遺跡の爆破には興味があっても、その周りで住んでいる人たちの現状には
まったく興味を持ってなかった自分に憤りを感じたのは言うまでもないです。

この映画は、ドキュメンタリーではないので、現実かどうかはわかりません。
しかし、過去の遺跡も大切だけれども、それ以上に大切なものがあるようにも思います。
少女の前向きな言動が、この映画の中の輝く光であることは間違いないのですが、
自分は、どうしようもない感情に包まれてしまいました。
戦場での惨劇などは全く登場しませんが、子供たちの世界を見ることによって、
それ以上の惨劇を見せられたような気持ちになります。
戦争の悲惨さを今一度、良く考えることができる作品です。(積極的にはお勧めしませんが)

公式サイトに行くと、ワンクリックでアフガニスタンに教科書を送る企画をやってます。
是非、みなさん、クリックしてください。









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監督 : ハナ・マフマルバフ
脚本 : マルズィエ・メシュキニ
出演 : ニクバクト・ノルーズ / アッバス・アリジョメ