お勧め度
シングルマザーのアンジーは、セクハラを受けた上に、ある日突然、クビを告げられてしまう。
途方にくれる彼女は、今までの経験を活かして、職業紹介所を立ち上げることを決意する。
移民労働者を集め、工場や建築現場への斡旋し、紹介料金を稼ぐ毎日。
次第に仕事も増えてきて、軌道に乗ったと思ったのだが・・・
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自由市場と呼ばれる現代の競争社会や移民労働者問題を描き出す社会派な映画です。
必ず社会では強者と弱者が産まれ、そこには、差ができる・・・
人として、人間として、どのように向き合ってゆけばよいのか、考えさせられる映画です。
映画『 この自由な世界で 』 人間の心は失ってはいけません。
この作品は、イギリスを舞台とした移民労働者に対する問題に着目することで、
行き過ぎた資本主義・自由主義がもたらした社会のひずみや、
人間としての生き方まで含めた非常に大きなテーマを取り扱っています。
遠くイギリスの問題ではなく、この日本でも起こっていることです。
非常に難しい問題ですが、非常に重要なことです。
イギリスへは、東欧諸国から多くの移民が職を求めてやってきます。
そして、劣悪な環境で、低賃金で働かされています。
一方、彼らを雇う側は、とにかく低賃金で働くことを求めます。
彼らの生活のことなど省みず、自分たちが良い方向へ向かうことばかり考えてます。
立場の強いものは、弱いものから富を奪い、弱いものは、更に弱いものから奪う。
まさに、悪い方向での連鎖です。
私は、資本主義・自由主義は必要だという認識でいるのですが、
自分さえよければ、周りはどうなっても良いという考えには反対です。
世の中のためになることをする、そのことで競争するのなら良いのですが、
自分たちが豊かになるために、周りを陥れるようなことがあってはならないはずです。
この作品では、主人公が、自分が下流社会から這い上がってゆく過程で、
次第に自分ばかりを優先するようになり、周りを省みなくなります。
この主人公の行動は、あまりにも悲しい行動のように感じますが、
現在を生き抜いてゆくための行動でもあるのです。
生き抜くためには、嫌な人間になる必要がある・・・ これが何より悲しいです。
また、この作品では、移民労働者の職の不安定さも訴えています。
でも、この現象は、日本でも同じです。
私の住む愛知県は、クルマ産業が集積し、景気がよかったため、多くの日系ブラジル人や
景気が悪い他の地域からの日本人が多く期間工として働くためにやってきています。
しかし、世界的な景気の悪化から、トヨタですら期間工を２割も減らしてるんです。
もちろん、系列・関係会社での削減は必至で、その影響は非常に大きいと思います。
簡単に削減できる期間工や派遣さんは、会社にとっては、都合の良いかもしれません。
もちろん、会社は、成長をし続けてる必要があることも分かります。
ただし、会社がよければ、周りはどうなってもよいのでしょうか。
非常に難しい問題だと思います。
あまりうまく書けませんが、ご覧になれば、分かってもらえると思います。
“ It's a free world... ” 『この自由な世界で』 という題名に込められた皮肉を
みなさんにも理解していただければと思います。
映画 『 この自由な世界で 』のオフィシャルサイトはありません。
監督 ： ケン・ローチ
脚本 ： ポール・ラヴァーティ
出演 ： カーストン・ウェアリング / ジュリエット・エリス / ポール・ラヴァーティ
この映画をご覧になられた方は、こちらもどうぞ。
映画 『エリックを探して』
ダメ親父が、あることをきっかけに人生を変えてゆく物語です。
監督の違った一面が見れますよ。
映画 『BOY A』
こちらの映画は、社会派です。
一度、犯罪を犯すと・・・ 考えさせられます。
良い映画に出会うって、素敵なことですね。
こちらがDVDです。
この自由な世界で [DVD]/キルストン・ウェアリング,ジュリエット・エリス,レズワフ・ジュリック
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ケン・ローチ監督の傑作選も発売されています。
ケン・ローチ 傑作選 DVD‐BOX/ケン・ローチ
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