ドイツからの帰国者レポート③ | ♪ IN MY LIFE ♪〜ドイツ・フランクフルトの窓辺から〜

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ドイツ生活早数年。
楽しく奮闘しております。
メゾソプラノ歌手です。

ドイツ・旅行・音楽・オペラ・グルメ•ときどきビートルズ&サウンド・オブ・ミュージック便りをお届けいたします♪


『帰国者レポート③』



いよいよboarding time。 




この時期だから機内もガラガラだろうと思ったけれどやはり読みが甘かった…!!!

ビジネスクラス以上はガラ空きだったけれど、
エコノミーは7〜8割座席が埋まっていて結構な賑わい。
私の周りも、人が多かった。
(幸い私の隣と隣の隣は空いていたが、殆ど満席!!)
嗚呼、ドイツであれだけ散々他人との距離を
1.5m〜2m取れって言われてるのにぃ…(涙)





どこが1番危険って、ここじゃん!!(怒)💢💢
分かってたけどさぁ…😞😞
万が一の場合、めちゃくちゃ濃厚接触じゃん。





未就学児のお子さんも多く、
ファミリーがとても多かった。
小学生、幼稚園のお子さんたちは
静かにマスクをして座っている。
幼稚園入園前の子供たちは、無邪気に
はしゃいでいた。
生まれて1ヶ月満たないんじゃないの?という赤ちゃんを見かけたときには、
さすがに三度見した。
留学帰りだろうと思われる学生さんもいる。
でもみんな、旅行だなんだと浮かれてる人なんていない。ピリッとした空気すら感じた。
色んな事情がそれぞれあるんだよね…。




しかしながら、万が一の場合、
ここで11時間もの間!!!
濃厚接触してしまう可能性が非常に高い。
自分が陽性だと判明されたら、
その罪は非常に重い。




こんなに緊張感の伴う、
生きた心地のしないフライトは初めてだった。
より安心できる場所を求めて、
この選択をしたはずなのに。
こんなんじゃドイツの家に待機していたかった。

(それが出来る状況になかったから今こうなってるわけだけども。)
果たしてこの選択で合っていたのだろうか。
日本で帰りを待つ家族は、私にこんな想いをさせてまで戻ってきてほしかったのだろうか?
簡単に考えすぎじゃないか?
と、後悔と苛立ちに繰り返し襲われた。




一方で、
ANAのキャビンアテンダントの皆さんは、
しっかりとマスクにゴム手袋を嵌めて、
乗客を出迎えてくれていた。




すごいなぁ…
仕事とは言え、このご時世、命がけ。
なのに凛として、私たちを出迎えてくれる。
覚悟が違う。
私は乗客として乗っているだけでこんなに不安で怖いのに。

乗ってしまって、
帰国してしまって、ごめんなさい、
という気分になる。

後悔と恨み節に苛まれながらも、
この人たちの為にも、
小さいお子さんたちのためにも、
この周りの皆さんのためにも、
絶対に感染してはならない、
絶対に感染したくない、
と覚悟も芽生え始める。




私もメガネ、ダブルマスク、ゴム手袋姿で
恐る恐る座席に着くやいなや、
持参した消毒液、
除菌ペーパーを取り出して、
身の回りを一斉に消毒し始める。






手すり、備え付けのテーブル、モニター、座席、ヘッドホン、目に入る全てを消毒する。
そんな人周りにいないから、
かなり神経質で奇特な人に見えるよなぁと思ったけれど、
私のそばにもゴム手袋とゴーグル姿で念入りに消毒している若い駐在の男性がいたのでホッとした。(笑)
とにかく絶対に感染してはならない!
ウィルスを日本に持ち込んではならない。



それにしても機内は
何故かめちゃくちゃ空気が澄んでおり、
安心できた。
CAを見て何故かとてつもない安心感。
そして心なしか空気も浄化されてる気がして、機内も適温でまたこれ安心。
『3分に1回空気を入れ替えておりますのでご安心ください』のアナウンスにまたまた安心。

いつもは外国のキャリアばっかり乗っていて、
日系はもう何年もご無沙汰だったけれど、
この非常事態。
日系航空会社は心から安心する。
(その2週間前に帰国した友人も同じこと言ってた。)



しかしこの世界がウィルスに汚染されているなんてウソみたい。
日常と何ら変わらないのに。




しかし、緊張のあまり
11時間のフライト中、1時間程度しか眠れず。
何かに接触するのさえ怖くて、
体勢も安心して崩せないのだ。
いつもは2,3本観ている映画も、1本目の途中でやめてしまった。
それでは10時間ほど何をしていたかというと、思い出せない。
何もしていない。
眠れない、眠りたいのに眠れない、と
緊張で固まっていたのだと思う。

そうこうしているうちに、心なしか体調が悪くなってきたような…😱😱😱

気のせいかわからないけれど、微妙である。

頭痛いような重いような、いつもの時差ボケのような、胃も痛いし、なんか体温調節もうまくいかないし…!!!!

こ、怖い!!!!!

機内で配られた検疫の書類も
何枚も何枚も。








普段税関申告ですら面倒臭いなと
思っていたが、この書類の多さに、
やはりタダごとではないなと痛感させられる。

これからの2週間の滞在場所の記載、
またそこまでの交通手段(公共交通機関は禁止。)
過去14日間の行動、体調チェック、
連絡先の記載を書かされる。
ここにいる皆も私もこれから2週間、隔離されるのかぁ。
どうかニュース沙汰には、なりませんように。

この時点では、CAも直々に
私の座席に来て下さり、
『国内線でセントレアに行かれますよね?』
と聞かれる。



はい、でも、国内線強制キャンセルなんじゃ??と聞き返すと(レポート②より。)




私達も到着後、検疫官の指示で進めなくてはいけないので、どうなるか分からないんです、との返答が。

『どうやら羽田の検疫所が混んでいるようで、2,3時間待ちのようで。
国内線に間に合わないかもしれません。
もし宜しければ、お早めに飛行機降りていただけますか?』
とのことだった。

え!ってことは、
もしかしたら、うまくいけば、
検疫早くクリアして、結果を聞いて、
名古屋まで飛べるかもしれないってこと??
そしたら、家族も羽田まで遥々来なくて済むし!!
ラッキーだよねぇ!!!
頑張って早く降りよう!!! なんて思っていた。
これから地獄が待ち受けているなんて知る由もなく。




羽田に着くと、
検疫官の指示があるまで機内待機だと言われた。
到着してから1時間以上、機内で待機要請。うーん。嫌な予兆。



















それでも、と、最後の希望の光を胸に、手荷物とジャケットを抱えて、一目散に機内を飛び降りた。





④へ続く