そして今回のザルツブルク紀行での1大イベント。
それはなんと。
ザルツブルクの旧市街地にある大聖堂(ドム)の前の特設野外ステージで歌ったこと。
⬆︎ここです。
⬆︎ステージの上から見た景色。
クリスマスマーケットで賑わっている。
そうです。
昨夏に知り合ったアイゲンの合唱団のAdventコンサートの本番に、なんと特別参加させてもらったのです!!!
⬆︎アイゲン合唱団の代表の方と。
⬆︎指揮者のドミニクと。
この合唱団との出会いは以前ブログに記した通りですが。⬇︎
(※当時のブログ『ザルツブルク・アイゲンの合唱団の皆さんとの出会い』)
その当時、
毎週水曜日に合唱団の稽古があるからザルツブルクに来たらいつでも連絡してねと夏に言っていただいたのを本気にして、
次に行くなら絶対に水曜日!!と
故意に狙っていたのですが、
なんと今回。
本当に、
水曜日に行くよ!と連絡したところ、
なんとコンサート本番だから一緒に歌ってくれないか?とお誘いいただいたのです…。
(体調不良でキャンセルしたひとも続出したのでヘルプが欲しかったらしい。)
⬆︎本番1時間前の16時にこの地で合唱団の皆さんと集合。
その場で楽譜を渡され、1度通しリハをしただけで即本番です。
夏にも思いましたが、ドミニクの合唱指導はほんとにほんとに凄い。
私ももっとこのひとのメソードを学びたい!!とゲネプロながらも感激しておりました…。(笑)
そうして17時。
本番。
たくさんの方が耳を傾けてくださいました。
オーストリアの昔ながらの伝統的なクリスマスソングやAdventの歌を歌いました。
中には古い言葉遣いやユダヤの歌もありました。
アドベントの4つのロウソクに火を灯そうという歌も。
ここで生活していないと分からない歌です。
『サウンドオブミュージック』のマリアの自伝で、トラップファミリーが歌ったという伝統的な歌も歌いました。
子供の頃から憧れてやまなかった家族の物語。
そしてその舞台、ザルツブルク。
そこに私も気付けば立っていました。
子供の頃からいつか行ってみたいと想いを馳せていた映画の向こう側の景色。
私が憧れていた人たちが見ていた景色はこんな風だったのでしょうか。
思えば2003年の2月。
13年半前。
憧れのあまり、
この地に何が何でも行かなくてはいけないと、
学校の春休み中を利用して、
ドキドキしながら初の一人旅を決行。
この地に初めて降り立ちました。
そして、この言葉もわからぬ異国の地で、
あたり一面にあふれる、
歴史的で荘厳な空気に圧倒され、
孤独感と感動でとても特別で神聖な感情を抱きました。
そして、不安とトキメキの両方を胸に、
また必ずここに来るんだと強く誓ったんです。
あの感情は今思い出してもまた格別です。
あれから13年半という月日は随分と長い時間だったのか!?
振り返ってみたらあっという間なのか!?
自分ではわかりません。
(今となってはあっという間に感じますが。)
しかしながら。
あのころ怖いぐらいの畏敬の念を抱いた神聖なこの街で、
歴史の重さがのしかかる、巨大で荘厳な建物たちにぐるりと囲まれた場所で、
舞台に上がった私は。
暗闇の中、ぼんやりと浮かび上がる古ぼけた教会や大聖堂のシルエットの隙間にのぞく藍色の空を見上げて。
うわぁ…!!
ここは、ザルツブルクの空の下だ!!!
ずっと憧れてやまなかったザルツブルクなのだ。
その空の下で、私は歌っているのだ…
ついにきたのだ…!
ついにここまできたんだ…!!!
という、
心の歓びに震えた叫びが聞こえてきました。(笑)
今の私は。
世界で1番憧れた場所で、
あの頃の孤独な旅人とは違い、
地元の皆さんにこんなにもあたたかく笑顔で迎えられて
クリスマスという最も神聖な時期に、
大好きな歌が歌えているのです。
え!!!すごいことじゃない!?
これって。
あの頃の私が知ったら
どれだけ大騒ぎするかしら。(笑)
まぁ、現実に流されると
童心の憧れが霞んでみえなくなりがちですが、
そんな中でも私は憧れをあほみたいに純粋に追い続け、貫き通してきてよかったです。(笑)
そしてこれからもずっと貫き通していくでしょう…。(笑)
ザルツブルクにいると、
『ここにいる今この瞬間が人生で1番最高に幸せ!!』
『今この瞬間に心から感謝!!』
という感情が理屈ではなく、
横隔膜の底の底から本当に湧き上がってきます。
たまらなくありがたい気持ちと幸福感に腹の底の今まで足りていなかった部分にまでじわじわ満たされて、これ以上ないような至福感。
これ以上幸せなことって私にはちょっと分からないです。
⬆︎シューベルト作曲『至福』より。
そんな幸せな瞬間を噛み締めながら歌ってました。
あぁぁぁぁ!!ほんとうに幸せな夜だったぁぁぁぁ!!!
本番後はアイゲン合唱団の皆さんとクリスマスマーケットのグリューワインやPunsch(リンゴジュースなどで割ったお酒)をごちそうしていただいて乾杯!
コーラスの代表者のご夫婦や
(奥様も本当に素敵な方!!)指揮者のドミニクにはいつも歓迎してもらえて、奥様の手作りのクリスマスクッキーまで用意していただいてプレゼントしていただきました。
わずかな時間ではありましたが、
そのあたたかさに感動で涙が出るほど!!!
私がずっと、
物心ついた頃から憧れていた夢のような世界には(ディズニーランドのようなものですね)こんな人々が住んでいて、
私を待っていてくださったんですね。
これからも大切に大切にしていきたいです。
アイゲンの合唱団の皆さん、
ドミニク、本当にありがとうございます!!
永遠にこの喜ばしい出会いに幸せを噛み締めていたいのに、
悲しいかな、それには人の一生はあまりにも短いです。
ですから可能な限り、会いに行きます!!(笑)
そのときまでお互いに、そしてお互いの家族や周りのみんなも含めて、怪我や病気もなく、
元気に笑っていましょうね!!
また、来年!必ずや!!!