※ヘルマン•ヘッセ広場。
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それから、大きな噴泉となつかしい町役場のある広場に来た。
そこには本屋の店があった。
その老主任は先年、私がハイネの作品を注文したので、私の悪評を立てたものだが、
私は入っていって鉛筆と絵はがきを買った。
ヘルマン•ヘッセ『青春は美わし』
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ヘルマン•ヘッセの生家があります。
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大きなキルヒベルクの菩提樹は
おそい午後のあつい陽光を受けて弱々しげに輝いていた。
市のたつ広場では大きな噴泉が音を立てながらキラキラと光っていた。
不規則な屋なみの線の上に、
近くの青黒いモミの山がのぞきこんでいた。
少年は、そんなものをみんなもう長いあいだ見なかったような気がした。
なにもかもが非常に美しく魅力的に思われた。
ヘルマン•ヘッセ 『車輪の下』
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※左から二軒目がヘッセの生家。
※ヘッセも洗礼を受けたという街の教会。
ここでパイプオルガンの演奏が聴けました。
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そのうちに、丘の最後の高みに着いた。
そこは1段1段と近くに見えていながら、
手まどっていたのだった。
いよいよ私たちは岩の上から、
登ってきた畑が急傾斜をなして驚くほど
短縮されているのを越して、
狭い谷の底に町が横たわっているのをみた。
ヘルマン•ヘッセ『青春は美わし』
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(続き)
後方には、波状の起伏の上、
数マイルにわたって黒いモミの森林があった。
ところどころ、細い草地や青黒い色の中から強く輝いている小さなムギ畑に、
中断されていた。
ヘルマン•ヘッセ『青春は美わし』
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ほてった風が川しもに吹いた。
かなり暗くなったが、空はまだ明るかった。
暗くなっていく小さい町全体の中で
教会の塔と城の屋根だけが黒くくっきりと
明るい上空にそそり立っていた。
ヘルマン•ヘッセ『車輪の下』
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庭のかきねを越え、眠っている町を通って
ゆっくりと谷間を上手に向かい、
川沿いにぶらぶら歩いた。
川は息をこらしてせせらぎ、
震えながら光る小さい月影をもてあそんでいた。
夜ふけに戸外に出て、
無言の空の下で、
静かに流れる川のほとりを歩くのは
いつも神秘的で、魂の底を掻き立てるものである。。。。
ヘルマン•ヘッセ『青春は美わし』
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この小さい街に世界的に有名なノーベル賞作家が誕生したんですね。
最も、ヘッセは『車輪の下』に描かれているように優秀なラテン語学生からの、
神学校という当時のエリートコースを辿ったにも関わらず、
小説家にならなければ何にもなりたくない、
といって神学校を脱走したり、
ピストル自殺未遂を何度も犯して精神病院に入院したり、
職を転々として続かなかったり、
ナチスドイツの時代に反ナチを掲げたおかげで非国民となじられたり、
その人生はなかなか壮絶で破天荒そのもの。
(ヘッセの文章のタッチはとても叙情的で繊細で女性的で温和な感じがするので、その人生を聞いてびっくりしたんですけれど。)
エネルギーに溢れた人で最初はなかなか生まれ故郷にも受け入れられなかったそうです。
ノーベル賞受賞後はこの街の名誉市民になったそうですが。。。
確かに