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茶トラ

観劇大好き!映画大好き!本大好き!
観劇、本、DVDの感想中心のブログです。

 

 

 

作・演出 倉持裕

 

大好きな伝説の執事鎌塚氏シリーズ第5弾ですクラッカー

 

今回はクリスマスを迎えようとする雪山にある貴族の別荘が舞台・・・・年の離れた夫を亡くしたばかりの北三条マヤコ(大空ゆうひ)に仕える鎌塚氏(三宅弘城)とメードの円子ミア(岡村あずさ)の二人だが、毎夜の奥様の寂しさを紛らわせるパーティに大忙し。そこで、クリスマスパーティーのために有能なメード上見けしき(ともさかりえ)を臨時雇いすることに・・・。

そして、そこに偶然を装いやってきたのが、鎌塚氏の天敵(?)堂田男爵夫妻のテルミツ(片桐仁)とタヅル(広岡由里子)と新米執事の佐双ヨウスケ(小柳友)だ。彼らは亡北三条伯爵が持つ、テルミツの秘密が吹き込まれたテープを奪いに来たのだ。

テルミツを逆恨みしている堂田家の前の執事宇佐スミアキ(玉置孝匡)もているやって来て、上を下への大騒ぎ。

 

笑いました~~~!

三宅さんとともさかさんのペアは最強ですね。

お互い好きなのにいつもすれ違い。

今回はかっこいい小柳君というライバルがいて、どうなることやらと思ったけども、鎌塚氏の執事としての生き様がブレーキをかけちゃうなんて・・・もう!じれったい!と思って観てました。なんとも不器用な鎌塚氏、でもとても魅力的です。

本当にいい味出してますよね。

ともさかさんのケシキの乙女心が可愛いし、彼女もとてもいい感じに年を重ねていますね。可愛らしさと大人の色気を持ち合わせ、三宅さんとのやり取りは夫婦漫才のように息があっていて、楽しいです。

鎌塚氏とケシキは、いつか結ばれる時が来るのかなぁ。

 

レギュラーの片桐さん、広岡さん、玉置さんも最高におかしい!!!

片桐さんと広岡さんのこれでもか!というド派手な衣装もお似合い!

ずっこけ悪役キャラも大好きです。どことなく哀愁も感じます。

玉置さんの宇佐スミキチの鎌塚氏に対する並々ならぬライバル心が、とても愉快で、すごく楽しい!

三人のコンビネーションも抜群で、愛すべきキャラクターたちです。

 

今回のゲストもとてもよかったです。

心優しき、寂しい伯爵夫人の大空ゆうひさんは、憂いがあって、とても美しかったです。

 

北三条家のメードの円子の岡本あずささんが、とっても良かった!!!

ケシキに対する対抗心、鎌塚氏への淡い恋心、物おじしない物言いやスミキチとのやり取りなど表情豊かで、のびのびとしたものを感じました。コメディにすごく向いていると思いました。

 

ケシキの婚約者で、堂田家の新米執事の小柳友くんの気弱で、生真面目な若者もすごく良かったです!

一生懸命に仕事に向かおうとする姿勢が、未来の鎌塚氏か!と期待します。

 

2回観ましたが、2回とも大笑い!

キャストのバランスがすごくいいし、倉持さんがこのキャラクターたちが大好きなんだろうなと思いました。

 

舞台セットもとても可愛らしくて、楽しい仕掛けがたくさんでした。

 

普段テレビドラマは観ないのですが,たまたまつけたNHKのウッチャンが出ていた時代劇(途中から見たのでタイトルわからず)がすごく笑いのツボがはまって、ついつい最後まで観たら、なんと脚本が倉持裕さんでした。

ペンギンプルペイルパイルズの舞台もまた観たいなぁ。

 

とにかくものすごく楽しい舞台でした!!!

また次回を楽しみにしています。

出来れば、鎌塚氏のお父さんがまた観たいです。

ありがとうございました。

 

 

 

 

演出・振付  中村恩恵

音楽 L.v.ベートーヴェン W.A.モーツァルト

 

再演となるこの舞台、初演の時より一段と豊かな表情を持った舞台でした。

特に雄大くんが、一まわり大きくなり、より深くなっていました。

ベートーヴェンの心の闇のようなルードウィヒの首藤康之さんとの一体感も増していました。

 

若い頃のベートーヴェンの控えめな雰囲気、他の貴族たちからちょっと浮いているのがわかります。

ジュリエッタ(米沢唯)との微笑ましい初恋のやり取り・・・・でも、つねに彼の心の中にはルードウィヒ(首藤康之)がいて屈託を抱える彼・・・ちょっと距離ができたジュリエッタとベートヴェンの様子をうかがっていてするりと間に入ってジュリエッタを奪ってしまうガレンベルク伯爵の木下嘉人君が実にいい!!!・・・ジュリエッタの唯ちゃんの無垢な美しさも素晴らしいです。

 

ハイドンの福田圭吾くんの包容力のある雰囲気はに場面がふくらみます。

すごくいい存在感!

 

ヨハンの中島瑞樹君が、美しい!!!ダンスも優雅です。

 

ゲーテ、シラーを演じた渡邊タカフミ君が素晴らしい!!!

その人物を感じさせる表現力とダンスの美しさに感嘆です。

彼のゲーテのダンスを観て、とお~い昔の中学生のころにゲーテの詩集を読んでいたことを思い出しました。

なんてロマンチック!と思いました。

 

小野絢子ちゃんのアントニエの優美で非の打ちどころのない美しさ!!

彼の理想と幻想の中で踊っているようで、女神のようでした。

 

2幕の甥っ子カールの井澤駿君と彼を愛する母の本島美和さんの美しい親子!

カールの弱々しさも良かったし、本島さんの愛情深さ、女としての艶、悲しさ・・・それを押さえつける雄大ベートーヴェンの尊大さかたくなさ孤独さは、圧倒的でした。

彼の心の中をのぞかせるような首藤さんも素晴らしい!!!

 

そうそう、白いアダムスファミリーみたいなベートーヴェンの家族の貝川鐡男パパ、中田実里ママ、木村優里妹、井澤諒弟が不気味に面白かったです。ベートーヴェンの稼ぎを頼りに生きていた彼らは、ベートーヴェンの中では表情もなく、むさぼり食らうだけ・・・。

優里ちゃんがめちゃくちゃ美しい!

 

衣装は山田いずみさん、素敵でした!!!

 

最初にも書きましたが、再演で物語が膨らみ、豊かになって、初演以上に感動しました。

この演目は何度も観たいです。

ぜひ、ぜひまた公演してください!

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

ねずみ年ですが、猫のカードでご挨拶です。

今年もよろしくお願いします。

素敵な一年になりますようにねずみ

 

 

 

 

まだ今年観た舞台の感想をアップし終えてないですが、今年がもう終わります。

来年になってから、ボチボチ書いていこうと思います。

 

今年の観劇も楽しかったです。

なかなかいいチョイスをしていたと思います。

 

今年嬉しかったのは、イマシバシノアヤウサの舞台を新作と再々演の二つ観れた事、大好きな成河さんと亀田佳明さんの2人芝居が観れた事、劇団チョコレートケーキの治天の君がまた観れた事、新国立劇場バレエ団がいつも感動させてくれた事、ボリス・エイフマンバレエ団を生で観れた事、吉田都さんの引退公演が観れた事、新しい劇団との出会いがあった事・・などなど数え上げたらキリが無いです。

大満足な観劇ライフでした。

 

さて、来年はどうなりますか。

少し控えめな観劇ライフになると思います。

皆さま、良いお年をお迎えください🍀🍀🍀

 

 

 

 

 

作 デイヴィット・グレッグ  翻訳 谷岡健彦

演出 瀬戸山美咲

 

クレア(南果歩)は、地域の合唱団の指導をしていた。

ある日、見知らぬ少年(小久保寿人)が現れ銃を乱射し、多くの仲間たちが死んだ。

最後に残った1発をクレアともう一人の団員に向けた少年・・・死を覚悟した彼女だが、撃たれたのは彼女ではなかった。

この時以来、彼女は自分の魂が、自分といない気がしていた。あの事件から抜け出せない・・・。

クレアは少年を知ろうと思った。同じ人間として、とらえたかった。

そして、少年の関係者から話を聞くことを始めた・・・・。

 

南果歩さんがクレアを演じ、少年とクレアのパートナー、牧師、精神科医、少年の父など少年の関係者を小久保寿人さんが一人で演じます。

そして、彼らの周りには常に合唱団の面々がいます。

 

憔悴しきった果歩さんのクレア・・・・彼女の時間はあの事件の時から止まってしまったようだし、心が負った瀕死の重傷は彼女のパートナーにも癒せないし、精神科医にも牧師にも治せない・・・誰にもわかってもらえないもどかしさと精神的な苦痛は、私の想像を絶するし、本当に痛々しかったです。

その苦しみの切実さ、忘れることを選ぶ人もいる中、忘れることができないというより、忘れることを拒んだように思えたのです。

小久保さん演じるクレアのパートナーがが最初は彼女に寄り添うも、だんだんと距離を置いてしまうのが、切なかったけどもわかるような気がしました。

 

あの事件の中のあの出来事・・・・一発しか残っていない銃弾を向け、少年は二人に選択を迫ったのです。、二人とも「私を撃って」と言った。

何故、少年は彼女を撃たなかったのか・・・しかし、少年は何も覚えていなかった。、

ようやく少年に会って、話をしても、彼はまるで抜け殻のよう・・・呆けてしまったように思えました。

なんて空しい・・・無理やりに人生を終わらせられた人たちは救われません。

 

小久保さん、素晴らしいです!!!

スポットライトが当たっているクレアの心はカラーで、小久保さん演じるそのほかの人々(少年以外)はモノクロに感じるのです。

演出もいいと思ったし、彼の演じる温度感がすごくいいです。

少年も色付きの感じがしませんでした。彼だけ、暗い、暗い色をしていました。

 

合唱団の歌声の優しさ、穏やかさに時々救われたし、尚更この事件の無残さを浮かびあがらせたような気がします。

そして、クレアの中にはいつも彼らが居るんだ!と思いました。

彼らのためにも少年を同じ人間として、捉えたかったのかもしれない・・・・。

 

無差別殺傷事件は、世界中で後を絶ちません。

銃を持たない日本でも刃物によって起きています。

犯罪は被害者だけでなく、その周りの人々の人生をも壊します。悲しいことです。

 

 

素晴らしい舞台でした。

ありがとうございました。

 

 

 

 

脚本・演出  前川大知

出演  山田裕貴、安井順平、浜田真也、盛隆二、森下創、大窪人衛、奈緒、清水葉月、村岡希美、仲村トオル

 

 

あらすじ≪公式サイトから≫

18歳の悠理は旅の途中で目的地を見失い、立ち止まっていた。
自分はなぜここにいるのだろう。
悠理は自分の人生を振り返ってみる。

短いけれど、沢山の楽しいことや辛いことがあった。
恋愛もした。
死にかけたこともあった。
尊敬できる両親に、いつも気にかけてくれる友達もいる。
かつて僕は世界と一体で、完全だった。
でも今は違う。

ある日、悠里は両親と友達に、湖畔のキャンプに連れ出される。
立ち止まったままの悠理には、時間だけが通り過ぎていくように思える。
過去に思いを馳せていると、いつの間にか悠理の意識はキャンプ場を離れ、見知らぬところで目を覚ます。
そこははるか未来の宇宙船の中。その船は人類の新たな故郷を目指して旅を続ける、巨大な入植船だった。
32世紀のユーリとして目覚めた悠理は、自分が誰で、どこにいるのかも分からない。
宇宙船から逃げ出した悠理の意識は、宇宙空間を漂い、地球によく似た見知らぬ惑星で目を覚ます。
自分そっくりの肉体の中で。
奇妙な旅を経て、悠理の意識は再びキャンプ場に戻ってくるが、その世界は自分の知っている世界とは少し違っていた。

自分はなぜここにいるのだろう。
帰りたい。

悠理は自分の世界で、目的地を探そうとする。


まるで水の中を落ちていくように宙に浮いている少年・・・・合わせ鏡のように丸い舞台の斜め上部に同じような大きさの白い丸がある・・・悠理(山田裕貴)の次元を超えた不思議な旅、冒険の旅の始まりだ。

この始まりの光景がとても神秘的でした。

 

悠理の山田裕貴くんがとても初々しくて、鬱屈を抱える少年が等身大で、困難にぶつかるたびに見せる表情、戸惑いにまるで息子を見ているような気持ちでした。

 

大のお気に入りが、宇宙船でユーリのお世話係のAIな浜田真也さんです。

人ではない温度、ちょっとひんやりとした温度を感じ、あのアシモ君のようなユーモラスな癒しも感じました。そして、今まであったことのないタイプの人間のユーリに興味を持ち、心と呼べるような温かさをだんだんと学んでいく様子がとても素晴らしいです!!!

ふと思ったんですが、人間は自分の考えや思い込みからなかなか抜け出せないけれども、ひょっとしたら、この先データーを確実に学び、客観的に理論を突き付けてくるAI的な物に人間は支配されるかも・・・。

 

好きなシーンは、別次元の地球にいた意識を持つ前の古代人イプノスたちです。

この意識を持たない彼らがわらわらとやって来て、浮遊するように動く様は、無垢のようで、無防備のようで、それでいてなんだか安らぐような気がしました。

 

量子力学の難しい話はよく分からないけれど、星新一、筒井康隆が好きだった私は、自分がいま生きている世界とは別の次元にいくつかの自分の世界があるんじゃないだろうかと思うことがありました。人生の選択をするたびにそれは増えてるかも・・・と。

悠理のような臨死体験のような強烈なのはないですが。

でも、きっとどの道を選んでも私は私だし、そんなに変わらない自分であるような気がしていますが。

 

人は終わりなく旅するのかも、肉体はただの入れ物なのかもしれない・・・ただ前の肉体の時の記憶をその肉体とともに失くしてしまうだけ・・・だからその記憶を持って旅を続ける悠理はしんどいかもなぁ。

誰も死んだことがないので、死んだ後のことはわからないけれども、私たちの旅は終わらない…ずっとそんな気がしています。

 

面白い舞台でした。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 
台本  ジョヴァンニ・ルッフィーニ、ガエニーノ・ドニゼッティ
作曲  ガニエーノ・ドニゼッティ
 
簡単なあらすじ・・・ドン・パスクワーレは大金持ちの老人で独身です。彼は、遺産を甥っ子のエルネストに妻を持たせて譲ろうと思っていたのですが、エルネストが貧乏な未亡人のノリーナと結婚すると知り、大反対!そこで、なんと自分が結婚すればいいんだ!と思いついた。
主治医のマラテスタは、エルネストの親友で、彼の恋を応援していたので、一計を案じた。
エルネストにも内緒にして、ノリーナを自分の修道院に入っていた妹として紹介したのだ。
若くて美しいノリーナに大満足のパスクワーレだが・・・・おとなしいと思っていた結婚相手が、話が決まったとたんの気まぐれと派手な生活に振り回される・・・・そして、ついには値を上げ、マラテスタの策略通りにエルネストの結婚を認めることにした。
自分が振り回された大騒動が、実は皆の悪戯だったと知ったパスクワーレだが、自分の傲慢さもあったと皆を許すのだった。
 
ドタバタ喜劇のような楽しい物語でしたが、私はなんだか老パスクワーレが気の毒でした。
絵にかいたようなハンサムな甥っ子エルネストは、おじさんのお金で働きもせず、のんきに暮らしていて、これはないよなぁ・・と、思って観てました。まあ、年寄りの金持ちが若い女に血道をあげ、自分の思い通りにいかずにイライラするのはとても滑稽だったけど・・・これは、皮肉な物語なのかもしれない・・・。
 
ドン・パスクワーレのロベルト・スカンディウッツィさん、マラテスタのビアジオ・ピッツーティさん、エルネストのマキシム・ミロノフさん、ノリーナのハスミック・トロシャンさんが、素晴らしく豊かな歌声で、今度は悲しい物語で聴いてみたいなと思いました。
 
すばらしい舞台でした。
ありがとうございました。
 
作・演出 ふたくちつよし
 
水俣病は、公害病である。工場が垂れ流した排水によって汚染された海水、そして、汚染された魚介類・・・・それを食べた人間がメチル水銀中毒症となった。日本の公害病の原点とも言われているそうだ。
 
栄美子(音無美喜子)と隆史(太川陽介)は、息子の悟(いわのふ健)と漁を生業としていた。
そんな一家の元に14年ぶりに長男の功一(高橋洋介)が妻の貴子(岸田茜)と伴い、東京から帰ってくる。漁師として、再出発するのだ。
栄美子は、網元の跡取り娘だった。漁のノウハウを幼い頃から教え込まれ、その腕は夫よりも上だった。しかし、彼女の体は水俣病に蝕まれていた。長い間病に苦しめられ、死を考えることもあった。それでも彼女の生きる場所は、この地で、この海だった。
水俣病が公害病と認定されるまでの間の差別と偏見は酷いものだったし、それはまだ残っている。でも、彼女は60を過ぎて、自分の病気について、生きてきた時間について語る決意をした・・・・だけど、忘れたい人もいるし、封印してしまいたい人もいる・・・依然として差別、偏見があるし、その工場で利益を得ている人たちもいるのだ。栄美子に対しての非難の電話が鳴り続け、手紙も届くようになるが、彼女は発信することを選んだ。確かな事実がそこにあるのだ。忘れてはならない事実が・・・。

 

音無さんの熱演に泣きました。

家族を愛して、海を愛して、病に冒されて、ただ誠実に生きてきた女性・・・長い年月を経て、ようやく自分のことを語り始めたのは、とても勇気がいることで、その痛みと家族に対する愛情を強く感じることが出来ました。

苦しければ苦しいほど笑顔でいようとする気丈な妻を支える太川さんの夫の純朴で、穏やかな笑顔もとても良かったです。二人で乗り越えてきた時間がそこにあるように思えました。二人の夫婦漫才のようなやり取り、すごく楽しかったです。

自分も彼らの茶の間にいるようでした。

 

高橋さんの長男の苦悩もせつなかったです。幼いながらに両親の苦痛を目の前にして、けなげに弟たちの面倒を見、家業を手伝ってきた彼がふるさとを飛び出したのは、理解が出来ました。そして、後悔しながら生きてきたであろう彼が、また故里でもう一度両親と向き合うことが出来たのに心をなでおろしました。

茜さんのお嫁さん、聡明で可愛かった。

 

いわいのふさんの弟は、なんかどこか出会ったような(笑)

そんな温かな人柄が感じられて、彼に両親がどんなに慰められただろうか・・・と、思いました。

 

水俣病についてはあまり詳しいことを知らなかったし、もう過ぎたことのように思っていました。

今回この舞台を観て、検索して調べてみたりしました。

まだ終っていない、似たような事例がたくさんあるし、すべてが繋がっているのではないかと思います。他人事ではありません。

 

素晴らしい舞台でした。

ありがとうございました。

 

 
 

 

 

 作 ウィリアム・シェイクスピア  翻訳・上演台本 河合祥一郎

演出 野村萬斎

 

とても凝ったリーディングでした。

主役のタイモンは野村萬斎さん、出演者は狂言師の方々で、衣装は烏帽子を被ったり、和装に羽織を羽織ったり、照明の演出も綺麗だし、音楽も趣があります。台詞回し、動きが狂言のようで、まるで舞台の上は平安時代のようで、すごく楽しかったです。

シェイクスピアと平安時代って、すごく合うのでは・・・と、思いました。

萬斎さんはこのリーディングが、本公演に繋がるものになるか・・・と、色々試行錯誤をしているそうです。

楽しみです。

 

簡単なあらすじは、アテネの裕福な貴族タイモンは、とっても気前がよく、人を疑うということも知らない。彼の周りにはその恩恵にあずかろうと有象無象が寄って来る。彼を上手くおだてれば何でも買ってくれるし、金品を与えてくれる。タイモンは、執事たちの心配をよそに大盤振る舞いな毎日・・・・しかし、ついに彼の財産も底をつく・・・破産・・・。今迄、彼が助けた人たちに借金を申し出るが、誰一人として助けてはくれなかった。失意と絶望で人間不信に陥った彼は、森の洞窟に引きこもってしまう・・・・・。

 

人間の偽善、裏表、お金に頼った信頼関係の脆さ・・・・すごくユーモラスに描かれているんですが、怖いです。

育ちのいいおおらかさを持った萬斎タイモンが、ラストには鬼気迫る悲しみと憎しみを抱えて死んでいくのはとても可哀想で、哀れでした。

 

狂言師のみなさんは、ほとんど現代劇を演じたことが無いそうですが、狂言調の台詞回しがとても優雅な感じがしたし、身のこなしの美しさはさすがで、とても素晴らしかったです。

 

そして、河合翔一郎先生の翻訳もとても楽しいです。

是非、本公演をかけてほしいです。

素晴らしい舞台でした。

ありがとうございました。

 

 
作 別役実
演出 西川信ひろ

 

空き地でテーブルを出し、椅子を並べ、なにやらセッティングをせかされる人々・・・。

これは心理学研究所の男が、「人が集まるとおのずと会議を始める」の実験をする準備だ。

男は町のいたるところにここで会議をするという張り紙をして、集まった人たちが会議をするか観察すると言う。

そして、ひとり、ふたりと集まり始める。どこにでもいるような人々・・・自分のことばかり語りたがる人、結論に行くのに遠回りな人、どうでもいい知識をひけらかす人、仕切りたがる人・・・など、などどこにでもいる普通の人たち。

そんな時、セッティングの業者の女の持っていたライターが無くなった。落したようだが、話は巡り巡って、盗まれたのでは・・・と、言うことになる。「落した!」と主張していた本人と友達もいつの間にか、周りの雰囲気に飲み込まれてか「盗まれたのかなぁ・・・」と思い込んでしまうのだ。どうどう巡りの話の途中にやって来た包帯だらけの男・・・ライターを盗まれた犯人と疑われ、殴る蹴るの暴行を受けたと主張する。そして、犯人は研究所の男だ!と声高に言い募る。否定する研究所の男を、何と彼は刺し殺してしまう・・・・。居合わせた彼らは、呆然とするもこの男の強引で、有無を言わさぬ物言いに引きづられるように遺体を隠し、血を吹く・・・・。

彼らが我に返った時、包帯の男はもういない・・・。彼らの行動に責任はあるのか、無いのか・・・。会議が始まる・・・。

 

ざっくりとしたあらすじですが、闇を多く取った空間で、何とちっぽけな人間たち・・・・別役氏のユーモアたっぷりの人間描写、せりふの数々ですが、それは人間のずるさや弱さをポンポンと放り投げているようです。笑いながら背筋が寒いし、笑いながらなんだか自分を見ているようで気恥ずかしい・・・。

大きな声にひきづられ、大上段に正義を振りかざされると違うような気がしても口をつぐんでしまう・・・考えることを停止してしまうことがあるなと思いました。

 

皆さん大熱演でした。

包帯の男の上西郷太さんのわずかに見える目が洞のようで、とっても怖かったです。そこには感情が何も無いようでした。

彼は誰だったのだろうか?何だったのだろうか?

何となくヒトラーのように思えたのです。

 

素晴らしい舞台をありがとうございました。