作 中島淳彦
演出 黒岩亮
戦争の記憶がまだ残る頃。
舞台は千葉の場末の芝居小屋・・・浅草を追われた座主は金策に駆けずり回りながら、いつか浅草に戻ることを夢見ていた。
そして、興行に備えて、賑やかに練習する芸人一座の面々・・・ゲストに呼ばれてくるのはあのエノケンと共演し、一時は一世を風靡した俳優の二村定一・・・てんやわんやの大騒ぎが始まる。
細部まで作りこんだ年季の入った楽屋、劇中で歌われたり流れてくる懐メロ(ほとんどタイムリーで知らない曲ばかりですが)、とても郷愁を感じます。あの「宝塚BOYS」で感じた時代のにおい、人々のにおいがそこここにあって、そういう意味でも懐かしかったです。
日本が大きな挫折から新たな世界へ突き進む時代、大きな変革を向かえた時代、そこで自分の夢で食っていこうとする人たちは、とても頼りなくもあり、向こう見ずのような気もしましたが、羨ましくもありました。
演じている人たちと舞台の登場人物たちが、何となくリンクして見えたりもします。
あの時代に栄えていた浅草は、今はもうその面影もないようですが、その種は色んなところに飛んで、芽を出して、育まれている気がします。
私の知らない芸の世界が垣間見れ、あの時代の息遣いも感じ、とても楽しい舞台でした。
ありがとうございました。
