陽射しの温かな、眺めが良さそうな草地に蓄音機まで添えた完璧なまでにセッティングされたピクニックの風景。
そこに通りかかる、道に迷った母娘、駅に向かう薬売り、コースを間違えたマラソン選手、そしてまた駅に向かう夫婦。
彼らがこれから取る行動は・・・?
そして、この豪華なピクニックをセッティングした人たちはどこに?
別役実氏の作品です。
一枚の絵のような光景の中に、次々と現れる人物たちはどこか俗物的で、ユニークで、この完璧なピクニックの風景とはなんだか正反対な感じなのです。
役者さんたちの絶妙な台詞運び、間がものすごく面白くて、完璧な風景が占める舞台が、徐々に彼らの空気に押されていきます。
このピクニックの風景に興味を示しながら、なかなかそこに踏み入れられなくて逡巡するも、誰かが一歩踏み出して、責任のありかが自分に無い?!と思ったら、もう遠慮も何も無くなって、食べるわ、飲むわの大騒ぎです。赤信号みんなで渡れば怖くない・・・かな。
そして、悪いことだと思っていても、何とか正当化して突き進んでしまう・・・・痛いところつかれました~って、思いました。
集団心理の怖さがそこにあって、流されやすい人間の性がそこにあります。
ラスト、誰が用意したかわかるのですが、とても切ない事情があったようです。
楽しさから、すと~んと落とされてしまう登場人物たち、彼らの心の残るものは何だろうなと思いながら、ひょっとしたらこれを残した人たちは、彼らの変わりに楽しんでくれて喜んだかも・・・・なんて、思ってしまいました。正当化してる?(;^_^A
見知らぬ同士の人たちがどんどん打ち解けていく様子や、譲れない自己主張の数々も興味深く、面白かったです。
素晴らしい舞台を、ありがとうございました。
作:別役実 演出:眞鍋卓嗣
出演:吉野悠我、新井純、森尾舞、松本光史、長谷川敦央、佐藤礼菜、三谷昇
