文楽   5月東京公演  第一部   5・12(火)11時 | 茶トラ

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第一部は、二代目吉田玉男さんの襲名披露でした。

「五条橋」、「新版歌祭文」の後に、襲名披露の口上があり、玉男さんになっての初公演は「一谷嫰軍記」が、上演されました。

「五条橋」は、有名な逸話ですね。
弁慶と牛若丸の出会いです。この逸話はみんな大好きですよね。
大河ドラマでも何回か観た記憶があります。
人形の義経は品があって、凛々しくて、オーラがありました。
4人の義太夫さんに4人の三味線さんで、なかなか賑やかな演目です。

「新版歌祭文」は、近松半二作の世話物です。
これは前にも観ていますが、あんまり好きなお話ではないです。
おみつと言う娘もその両親も結婚できると思っていた男は勤め先の娘が好きで両想いだということが、結婚式の直前にわかります。それも心中覚悟の恋だと・・・・・。
そこで、おみつはそんな二人のために婚礼をあきらめ、仏門に入ってしまうのです!
かなり唐突で、驚きます。
でも、そのおみつの事実を知るまでの、結婚を喜び、かいがいしく動き回る姿がいじらしくて、可愛らしいのです。
一番の見せ場となる場面を、人情語り名人の津駒大夫と寛治師匠の三味線が盛り上げます。
父親の心情もせつなくて、若い人たちの思い通りにならない人生も切なくて・・・・・こういうところがきっと庶民に受けたんでしょうね。あまり好きではないといいながらも、この場面、ウルウルしてしまいます。


さて、「口上」は、千歳大夫のいい声で始まります。
そして、先輩、お仲間からの温かい言葉・・・・・涙が出ました。
形式的なものではなくて、本当に心がこもっています。
文楽は世襲制ではないですから、真の才能と努力ガ必要です。
稀代の名人初代吉田玉男の名を継ぐのは、とてもすごいことだと思います。
おめでとうございます!!!

『一谷嫰軍」は、襲名披露狂言となります。
熊谷桜の段、熊谷陣屋の段が、上演されました。

玉女改め、玉男さんは、男丈夫で立ち役の立派なお人形さんみたいです。
初めて拝見した時は、あまりの男振りにしばらくお人形さんよりも玉男さんを観てた覚えがあります(笑)
この物語では、熊谷次郎直実を遣いました。
自分の息子の首を、敵方の息子の首として差し出すという義理を貫く武士の役です。
ぐっとこらえて、女房を押しとどめるあたりの顔にはださねど、辛さが伝わってきます。
そして、武士道のために自分の息子に手をかけた彼は、妻と一緒に出家の道を選ぶのです。

この場面は、熊谷陣屋の段になるのですが、鉄壁リレーで咲大夫、燕三ペアで武士に意地を貫く強さと苦しさを盛り上げ、文字久大夫で泣かしどころでおとします。今回は、清介さんの三味線だったのですが、この場面、情の細かい清介さんの三味線は嘆きを包み込むような優しさを感じました。
ああいいなぁ・・・・・と、思いました。
藤蔵さんとのお互いが、お互いを刺激しあって、ぐあ~っといくのも大好きですが、清介さんとの強さと優しさみたいなのも、違う効果が出るんですね・・・・・・素人ですから、上手い言葉も出ないし、感じたままなんですがσ(^_^;)
違うんじゃない?と、思ってもご容赦ください。

素晴らしい公演でした。
ありがとうございました。



お祝いのたる酒、「直実」です。