祭りの夜、宴の準備をする藤木家の茶の間には、その家の5人の女性たちと一人の女の子が集まった。
旧家の跡取り問題を抱え、頭を痛める60代の母親。
それもそのはず、ふらっと帰って来た東京で働いている長女は40代で恋人と別れたと言うし、30代の次女は10代で父親のわからない子を産み、今また知り合いの子と言いながら、恋人らしき男の子供を預かっている。
そして、また思いつめた表情で戻ってきた20代の孫(次女の娘)は、不倫相手の子供を妊娠していると言う・・・・。
それぞれが、女の人生の転換期と決断の時をどう乗り切るのか・・・。
喧々諤々と母の立場、娘の立場、女の立場で、思いのたけをぶつけ合う。
作・蓬莱竜太
演出・栗山民也
ミドリ(40代 長女)・・・秋山菜津子
キョウコ(30代後半 次女)・・・魏涼子
ユリア(20代 キョウコの娘)・・・前田亜季
ヒロコ(60代 母)・・・・三田和代
タマエ(70代後半 ヒロコの姑・祖母)・・・中村たつ
マオ(キョウコの友達の娘)・・・・大西風香
女性にとっては、とても共感を覚える作品です。
女性が子供を産める期間と言うのは、長い人生の中で考えると短い時間です。
その間になんと多くの悩みや決断が、存在するのでしょうか。
わりと当たり前にそういうことを受け入れて生きてきたので、改めて突きつけられると、我ながら女ってすごいや!と、思いました。
この舞台では、不倫の果ての子供、酔っ払ったあげくの好きでもない相手の子供と特殊な状況ではありますが、これからの時代、女性は仕事を持ったり、生活環境のためにと、産む前の妊娠することの決断、選択をすることが多くなる気がします。
ここに集った女優さんたちが、素晴らしかったです。
特にミドリの秋山さんと母の三田さんのやりとりが、最高です。
母娘のエキセントリックな雰囲気がとても似ています。
それぞれが、それぞれの個性を遺憾なく発揮し、藤木家の今までが見えるような舞台でした。
おばあちゃんの中村さんの達観と、これから女への道を歩むマオちゃんの風香ちゃんの存在が、清涼剤やスパイスの役割も果たしています。
特に風香ちゃんの存在は、彼女たちの過去であり、これから女への道を行く、命の引継ぎです。
他人と言う形で、この少女を存在させたのもとてもよかったと思います。
緩急のある演出もとても良く、女たちが悩んでいる座敷の向こうには、男たちがお神輿を担いで祭りで大騒ぎをしているというのも、なんだか笑えます。
そう、こういう問題では、男はいつも蚊帳の外ですね。
決断するのは、女だから。
作者の蓬莱さんは、男性なのにとても深い洞察力ですね!!!
とても素晴らしい舞台でした。
ありがとうございました。
再演を望む舞台の一つにです。