ぼくはピヨちゃんにまたあいたくて、そらをみあげていました。 でも、ピヨちゃんはどこにもいませんでした。 ぼくはかなしくて、ひとりであそんでいました。 ある日、ぼくはおばあさんからふしぎなたねをもらいました。



 「これはとってもすてきなともだちになるから、だいじにしてね」とおばあさんはいってくれました。

ぼくはたねをだいじにうえて、みずをやりました。



 すると、たねがすくすくとのびて、やがておおきなきのみができました。 「うわー、きのみができた!」 ぼくはおどろきましたが、うれしくなりました。 「きっとすごいともだちがうまれるんだ!」 ぼくはきのみにはなしかけました。

しばらくすると、きのみがわれて、なかからかわいいこえがきこえました。 「わんわん!」 ぼくはきのみのなかをのぞきました。 そこには、まるいからだに、おおきなめと、ピンクのはなと、オレンジのけとしっぽをもった、 ふしぎないきものがいました。 「きみはだれ?」 ぼくはきいてみました。 「わんわん!ぼくはワンちゃんだよ!」 いきものはこたえました。



ワンちゃんはぼくのともだちになりました。 ワンちゃんはとてもやさしくて、おもしろくて、たのしかったです。 ワンちゃんといっしょにあそんだり、おしゃべりしたり、おやすみしたりしました。 ぼくはもうひとりじゃありませんでした。

でも、ある日、ワンちゃんがいってしまいました。 「ごめんね、ぼくはもうここにいられないんだ。でも、きみのことをわすれないよ。またあえる日まで、さようなら」 ワンちゃんはそういって、オレンジのけをふりふりして、そらにとんでいきました。

ぼくはかなしくて、なきました。 でも、ワンちゃんがくれたおくりものをみると、ちょっとやさしくなりました。 それは、ワンちゃんがつくった絵本でした。 タイトルは「ぼくのともだち2」でした。



絵本のなかには、ぼくとワンちゃんのすてきなおもいでがかかれていました。 「ありがとう、ワンちゃん。きみもぼくのともだちだよ。またあえる日をたのしみにしてるよ」 ぼくはそうつぶやきました。



おわり