それからはスープのことばかり考えて暮らした
/ 吉田篤弘


本日読了。
路面電車が走り
昔ながらの商店街が今も残る。

隣町の「月舟シネマ」では
古い日本映画が上映されている。

そんな懐かしさにあふれた街の
サンドイッチ屋で
ひょんなことから働く事になった青年。

店主やその息子、
アパートの大家、
映画館でいつも出会う初老の女性、
そしてスクリーンの中のとある女優。

そんな優しい人々との出会いや交流を重ね、
青年の人生は
少しずつ彩られ深みを増していく。

誰もが「なつかしい」と感じる
究極のスープ作りの様に・・・。

悪意や不穏の欠片も無く、
心が安心しきったのか
さらさらと止まることなく読めてしまう。


男性の作家でこれほど
「ふわっ」とした文章を書ける人
他にはいないんじゃないかな。