

邦題「スパニッシュ・アパートメント」これは、字幕の中では、「ごちゃ混ぜ」としてルビが振ってあるので、前にDVDで見た時から、私はずっと、このタイトル(auberge espagnole)はこの映画の舞台である共同生活アパートのように、「いろんな人種がいること、混沌状態」の意味の熟語だと思い込んでいました。
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で、今回見て本当にそういう意味だったけな?
なんでスペインのアパートが混沌としているのか由来は?
と辞書で確かめたくなり、映画の途中で手を止めて辞書を引いたら、違っていた

ロベール仏和大辞典。

ええっ。「たがが緩んだ状況」?「ろくでもない所」??確かに、映画の中のアパートはたまに荒れ果てていたけど、あまりにもひどい意味だから、映画の字幕ではあえて配慮して、ああいう表現になったのかな。それとも、ロベール様が古い辞書だから、次第に意味が違って来たとか?
そこで、次にロワイヤル中辞典。

うーむ、これもちょっと違うけど「食事も出ない宿」って(汗)スペインの宿がみんなそうではあるまいに。
映画の中では、グザヴィエがこの共同生活を通して人間的に成長した、良い思い出の場所だと良い解釈してたよ。
クラウン仏和辞典。

これまた「孤立無援の状況」とは

そうかなあ。グザヴィエ、結構みんなと仲良くやってたがなあ。
バルセロナで浮気して、本命の恋人と別れてしまったのは、自業自得だけど。
念のため、仏仏も引いてみたが、同じようなものでした。ロベール仏仏。

やっぱり、そうかあ。スペインの宿、ぼろくそ言われてるやん

で、映画はとても面白くて、この小さなEUの縮図みたいなアパートで、それぞれのお国柄がよく出ていてあっという間に1年間の留学期間は終わるのですけど、続編の「ロシアン・ドールズ」(Les poupées russes)も何か意味のある慣用句というか俗語なのかなと思って調べたら、要するにマトリョーシカのことで、ロシアの政治体制とか、中に色々な面が秘められているみたいなことのたとえなんですね。

第3弾の「チャイニーズ・パズル」(Casse-tête chinois)は、フランス語でジグソー・パズルのことだそうです。

スペイン人のソレダが、イギリス人の男の子にスペイン人の話し方を馬鹿にされた場面があって怒っていたけど、多言語が共存するヨーロッパ人同士でも、やっぱりそういうの、よくある話なんですね。
この映画のタイトルのように、どこかの国名をつけて何かの意味を表す熟語や慣用句があるのも、お国柄を示す文化だから仕方がないしお互い様なのです。
この間、私も職場の人に「フランスは英語わかってるくせに絶対自分からは話そうとしないから嫌い」と言われて、もういろんなところで同じことを聞き飽きてうんざりしましたが、それって「大阪の人は絶対どこに行っても大阪弁で通すよね」と言われてるのと同じ偏見で腹が立つ
のかなって思いました。全員がそうではないのに、自分が見聞きした1~2人の例を全部に当てはめようとする愚かな習慣。
が、広い世界のヨーロッパでさえそうなんだから、いちいち不愉快になるのはやめて黙っていることにしました。
でも東京の人だって、明石家さんまの話は理解できるけど、彼と同じように流ちょうな関西弁で突っ込んだり面白いこと言えないですよねー?(笑)
バルセロナでは、グザヴィエが相手によって必死で英語やスペイン語で話したり、生のスペイン語(「フランス式」って、そういう意味だったんだ
)を覚えようとしているところが好感が持てました。カタロニア語とカスティーリャ語が必要になってくる辺りも、スペインがかつていろんな国の集合体だった名残だから、方言は残すべきですよね。