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去年からずっと待っていた本がやっと読めました。感激。
道尾秀介さんの小説だから間違いないとは思っていましたが、これほどとは。
登場人物が少しずつ重なって次の短編に主役となる、連作集です。
最初は、隠された犯罪をテーマにしている短編ばかりかなと思いましたが、そうではありませんでした。
風媒花、虫媒花というのは知っていたけど、光媒花ってあったっけ?
その疑問が氷解する場面が出て来た瞬間、鳥肌が立つほどの感動に襲われました。
一番印象的な、忘れたくないフレーズを引用します。
いつから、あの白い光は消えてしまったのか。
いや、本当は消えてなどいないのかもしれない。世界は何も変わっていないのだから。変わったのは、たぶんわたしのほうなのだろう。いつだって変わってしまうのは人間のほうなのだ。ボンネットに卵を産みつけるアカトンボを、きっと人も笑えない。思い出でしかない光を見て、その上で揺れてばかりいる。現実はもっと明るく光っているということを忘れてしまう。
この1ヶ月ほど、ちょっと辛いことがあってフランス語の勉強も滞っていたのですが、つい最近、現実が光にあふれた世界だということを思い出させてくれることがあったのです。
人間は光に引き寄せられて飛び、生きて喜ぶ白い蝶のような存在だったのでしょうか。
だから光媒の花というタイトルには強く共感できたのかもしれません。
それにしてもこの本の表紙の装丁が、とてもとてもいいです。
文庫本も出ていますが、また何度も読みたいから電子書籍でいつか買うことにします
