3月、やっとリアルにお稽古。茶の湯の心を学ぶ。 | 心斎橋茶道カフェ女将のブログ

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心斎橋で、正座をしないテーブルでの茶の湯教室です。茶道の世界をもっと多くの若者に楽しんでほしい、そして自信をもって世界に方々と交流してほしいというおもいからブログをつくりました。

1月と2月は感染防止対策のためにオンライン稽古にやむなくしました。

 

でもこれは茶の湯のことを忘れずにいましょうというくらいのものです。ですから、皆さん、久しぶりのリアルお稽古に嬉しそうです。
 
 
ひな祭りは終わったのですが、旧暦ではまだ2月です。お稽古はひな祭りの趣向でしました。
床は立雛の短冊、茶碗もお雛様、蓋置はぼんぼりの形です。
水指は筏(いかだ)の上に、花がたくさん載っている絵柄の「花筏」にしました。春らしい取り合わせでしょう。
 さらに、1月も2月もオンラインで稽古でしたから、厳冬期に使う「筒茶碗」という口の狭い冷めにくい茶碗の扱いも、季節を遡ってお稽古しました。茶巾でのお茶碗の拭き方やお茶碗の持ち方が違うのです。
 
でも、道具の扱いばかりが稽古ではありません。現在、NHK Eテレで今日3月21日が最終回で夜9時半からですが、表千家のテレビ番組があります。
 今日はお客さまを迎える当日の準備についてです。今まで7回の番組での最終回で、NHKの渡邊アナウンサーが「旅たんす」のお点前でお客さまを迎えるそうです。
※上の写真の「旅たんす」は春の時期に使われる棚で、これは豊臣秀吉が小田原の北条氏を攻める時に、一緒にいき、これをもっていき、戦の陣の中でお茶を点てたと言われています。
 
 亭主は客を迎えるにあたり、そのお客さまをおもい、準備をします。客も亭主がどのように庭や部屋を綺麗にして、道具を組み合わせて、お菓子を選び、お茶を選んでくれたか、その思いを感じます。亭主と客が一服のお茶を通じてこころを通わせるのです。
 
 YESとNOをはっきり表しながらお話する西洋の文化とは正反対ですね。言葉に出さなくても感じ取るという日本の文化の原型がここにあるのだなあと思います。
 堅苦しいと思われる方もあるかもしれませんが、本当は繰り返し繰り返しお点前を稽古することで、亭主と客がこころを通わせる準備をしているのだと、私も長い間稽古をすることによってやっとわかってきました。
 今日の番組でもそのことに気づいていただけるかもしれません。
ぜひご覧ください。
お読みいただきありがとうございました。