こんにちは
文字数の心配もある中、「改」の時の流れに合わせてBメロ1までを前編として一度区切らせていただきました
今回はその続きで、サビ1のコード進行の解説をしていきます
BMaj(ⅣMaj) - D♭Maj(ⅤMaj) - B♭m(Ⅲm) - E♭m(Ⅵm)
BMaj(ⅣMaj) - D♭Maj(ⅤMaj) - E♭sus4(Ⅵsus4) - E♭m(Ⅵm)
サビ1前半8小節のコード進行がこちらです
今作はとある事情で元々の構成を一部改良した状態でSoundCloudにのみ現在公開しているのですが、その変更ポイントがまさにここにあります
改良前のサビはAメロとイントロとを合体したような構成で、ボーカルのメロディもAメロのものをベースにしていたため、サビらしいサビがない(Aメロ≒サビ)楽曲でした
それを現行のものに改良したのがこのコード進行の前半部分であり、ボーカルのメロディもそれに合わせて改変しています
イントロとリンクする部分を感じるのは改良版が「サビ=イントロ」の関係になるような作りとしているからです
この改良によってよりサビらしい存在感のある世界観に作り変える事が出来ましたので、今の方が気に入っています
さて、解説に戻るとしましょう
前半4小節は純粋な王道進行、後半4小節はⅥsus4を交えた「456」の偽終止進行となっています
せっかくなのでⅥsus4の運用方法について少し解説しましょう
Endless Storyの時からsus4には何かとお世話になっているのですが、これまで共に学んできてご存知の通り、sus4は3度音を完全4度に吊り上げて不安定にさせたコードです
その曖昧さによってメジャーかマイナーか行先をあやふやにしているわけなのですが、図に示した通り、どの3度音を含んだコードに進んでいくかは制作者の方針次第で変わってきます
今回はE♭m(Ⅵm)に進行するように作りましたが、場合によってはE♭Maj(ⅥMaj)に進行しても不思議はありません
ちなみに、このE♭Maj(ⅥMaj)というのは図にもあるようにKey=E♭のE♭Maj(ⅠMaj)の事を指します
E♭Maj(ⅣMaj)の可能性はないのか?と思った方は良いところに目をつけているなと感じるのですが、
残念ながらⅣsus4の時点で完全4度EにというKey=G♭に含まない音が混ざっています
直近の流れを見てもD♭Maj(ⅤMaj)の後に来ている事からここで完全終止保留とするのも無理がありますので、これにより「Ⅳsus4 - Ⅵ(M7)」によるE♭Maj(ⅣMaj)に進行する可能性が否定されました
よって、Ⅳsus4の分岐先はE♭m(Ⅵm)、あるいはE♭Maj(ⅥMaj)(Key=E♭のE♭Maj(ⅠMaj))のいずれかに絞られます
一時的に楽曲の方向性をパラレルメジャー(今回で言うKey=E♭)に切り替えたり(すぐに原曲キーに戻るけど)、それをきっかけにして新たなKeyへの切り替えるための経由地的な運用方法で「Ⅳsus4 - Ⅵ(M7)」という使い方は非常に有効ではありますが、ここでは単に「Ⅳsus4 - Ⅵm」と原曲キーの範囲内に留めた使い方で解決しています
言うまでもないのですが、この8小節のコード進行は、
4536+456
以上の通り綺麗に細分化出来る作りになっています
BMaj(ⅣMaj) - D♭Maj(ⅤMaj) - B♭m(Ⅲm) - E♭m(Ⅵm)
BMaj(ⅣMaj) - D♭Maj(ⅤMaj) - N.C.
後半6小節はイントロの7・8小節目をカットし、N.C.で完結させた仕様となっています
コード進行の細分化は、
4536+645
こんな感じでしょうか
サビ1の全体像はこんな感じです
偽終止が連続しているとは言えど、王道進行をベースにした作りになっているのでコードの並びがいつになく綺麗なのは爽快感があります笑
同時に、王道進行が有名だからといって多用してしまうとこういったところでもワンパターンな動きでつまらないと思われてしまう可能性があるため、同じコード進行に頼りすぎないよう気をつけましょう
さて、ここまで今作の1番までのコード進行を解説してきました
この後はAメロ2以降の各セクションのコード進行の引用元をまとめていくのですが、その前に今作の1番のコード進行の冒頭と結尾を表を用いて確認していきましょう
こんな感じですね
今作で初めて同じコードが冒頭と結尾を兼任するというセクションをAメロ1で設けましたが、これにより、Bメロ1の冒頭のⅥm7とのコントラストの違いが明確に現れて曲の躍動感や世界観の大きな揺らぎを与える事に成功しています
Last Hopeの時もそうでしたが、メジャーキーの中にⅥm7冒頭が存在してはいけないなんて事はないし、むしろ上手く組み合わせる事で単なるケーデンス延長のための延命措置(偽終止)に留まらず、マイナーキー(暗・濃)とメジャーキー(明・淡)が共存するような楽曲を作る事も可能です
その実現においてBメロ1をどう使いこなすか(使うか、なくすかなど)で変わってくるという事を今作を通じて参考にしてもらえれば幸いです
他はかなりバラツキがありますが、強いて言うなら結尾をⅤ7にする事が多いという事くらいでしょうかね
結尾の解説も加えた事で僕自身がどういった考えで当時コード進行を組んでいたのかを改めて振り返る事が出来るので、非常に良い良いですね
ここからは間奏1以降の各セクションの引用元を箇条書きでまとめていきます
その中で個別で解説が必要と判断されたセクションだけ取り上げて別途解説して終了したいと思います
間奏1…イントロを引用
Aメロ2…Aメロ1を引用
Bメロ2…Bメロ1を引用
サビ2…サビ1を引用
★間奏2…この後解説
★間奏3…サビ1を引用(N.C.なし)、延長分についてこの後解説
ラスサビ前…サビ1を引用、延長分は間奏3に同じ
ラスサビ1…サビ1の1~8小節を2度繰り返し
ラスサビ2…イントロを引用(「ⅤMaj - N.C.」の2小節を延長)
アウトロ…イントロを2度繰り返した後にG♭Maj(ⅠMaj)で閉幕
となっています
★をつけた3セクションの解説を順次していきます
G♭Maj(ⅠMaj)×4
G♭Maj(ⅠMaj) - BMaj(ⅣMaj) - D♭Maj(ⅤMaj)
まずは間奏2の8小節のコード進行です
こちらはベースのスラップパート用に用意したセクションです
あまりごちゃついた動きを出さずに7小節目まではG♭Maj(ⅠMaj)で統一したオーソドックスな「145進行」のスリーコード進行としています
BMaj(ⅣMaj) - D♭Maj(ⅤMaj) - BMaj(ⅣMaj) - Cm7(♭5)(♭Ⅴm(♭5)) - D♭Maj(ⅤMaj)
最後は間奏3の13~16小節のコード進行ですね
間奏3はサビ1をそのまま引用し、N.C.をなくして「ⅤMaj - ⅣMaj」の完全終止保留を使って2小節延長したセクションとなります
その延長分というのがBメロ1の10・11小節目の2小節です
サビ1に繋ぐ直前の流れをラスサビ前でも同様に再現するために設けたものになります
その流れはその後のラスサビ前の15・16小節目にも反映しています
以上ででGRAND FINALEのコード進行の解説を終了します
DAWの普及により、誰もが気軽に音楽に触れられるようになったというのは、僕としても一人で音楽が出来るきっかけを与えてもらえたという点でとても嬉しく思います
ですが、音の扱いというのは想像以上に難しいですね
ソフトがアップデートが絡むだけでも感触が変わってしまいますし、ちょっと音の組み合わせを変えたりとかメロディラインなどでピーク値が際立ったり、低音域がごちゃついたりするだけで音割れ発生の原因になったりと、何かとエラーに追われる事が多いです
そうした中で使った事がないエフェクターを試して実はこっちの方が理想の感触に近いものが作れるなんて発見もあったりするので、きついけど自分の音楽を追究し続けるというのは本当に大事だなと思います
まだまだ理想的な形に出来ていませんが、今後も曲作りを続けながら人間としても更に成長していけたらと思っていますので、興味のある方は引き続き当ブログに足を運んでみて下さい
それでは今回はここまで
次回のブログでまたお会いしましょう
(^ ^)ノシBye Bye♪
GRAND FINALEの音源はこちら↓↓
「不器用な想いを音で描く」を信条に、SoundCloudにオリジナル楽曲と東方自作アレンジを公開中です
興味があれば聴きに来て下さい♪
※ジャケット画像:57様
※GRAND FINALEの音源動画内に使用しているイラストをジャケット画像用に編集したもの