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永夜異変から幾日が過ぎたとある夏の夜
博麗神社を囲って盛大な宴会が行われていた
人間も妖怪もみな肩を取り合い、盃を交わして大いに盛り上がっていた
夜空には異変解決を祝福するかの如く、花火が盛大に打ち上げられていた
 
「うわぁ、花火だぁ!!!」
 
花火を見てテンションが上がったのか、宴会のボルテージは更に加速していく
しかし、盛大にはしゃぎ過ぎたのか、次第に眠りにつき始める者が増え、気付いたら霊夢と魔理沙だけが起きていた
二人だけの宴会がゆっくり幕を開ける
 
魔理沙:あぁあ、みんな寝ちゃったよ
    花火もまだ始まったばかりだっていうのにな
 霊夢:ふふ、本当ね
    それだけ今回の異変はみんなの生活がかかっていたから元に戻ってホッとしてるんでしょうね
魔理沙:しっかしまぁ、偽物の月にすり替えるなんて凄い事を考えるよな
    普段から見慣れちゃってるから深く気にした事なかったけど
 霊夢:確かに月の光がないと生きていけない妖怪もいるし、妖怪達が騒がなかったら私もこの異変に気付けなかった
    巫女としてまだまだね
魔理沙:おっ、修行でもするのか?
    何なら付き合うぜ
 霊夢:やらないわよ、そんな面倒な事
    そうでなくても私は強いんだからいつも通り過ごすわよ
 
そう言いながら、陰で人知れず努力をし続けている霊夢の姿を魔理沙は知っている
普段怠けた事を言っているのも、そうした姿を見られたくない、知られたくないという気恥ずかしさから出ているものだろう
その辺が霊夢らしいと言えば霊夢らしい
どれだけ追いかけても追いつけない背中を追い続けているような寂しさを感じつつも、霊夢と肩を並べて異変解決するために努力を積み重ねる魔理沙
過去には霊夢と直接対峙した事もあり、気に食わないと感じつつも、彼女を間近で見続けるうちに憧れを抱くようになった
 
(き、今日こそは、霊夢にこの気持ちを伝えるんだ)
 
そう、魔理沙は次第に霊夢の魅力に惹かれ、恋心のようなものを抱くようになったのだ
宴会に参加している面々が眠りについている今、その絶好のチャンスが舞い降りている
この後どういう展開を向かえるのかを想像しながら静観していただければと思う
 
魔理沙:れ、霊夢っ!
 霊夢:ん?何?
魔理沙:え、えっと...
    は、花火、きれいだな
 霊夢:? えぇ、そうね
 
(あぁ、もう違う違う! そうじゃないだろ、私っ このままじゃ花火も終わっちまうじゃないか)
 
絶好のチャンスを逃してしまい、 諦めかけていたその時、奇跡は起こる
 
 霊夢:魔理沙
魔理沙:え、な、何だぜ?
 霊夢:...きよ
魔理沙:え?今何て言ったんだ?
    もう一回言ってくれないか?
 霊夢:言うわけないでしょ、バカっ!
    聴き取れなかったあんたが悪いんだからねっ!!
 
タイミング良く花火が上がったために聴き取りづらかっただけで、霊夢が何て言ったのかは口の動きを見て魔理沙は分かっていた
高鳴る鼓動と自分の不甲斐なさとが錯綜し、動揺を隠し切れない中だが、何か吹っ切れたように言葉を紡ぐ
 
魔理沙:霊夢っ!
 霊夢:な、何よ
魔理沙:大好きだぜ!
    これからもよろしくな!!!
 霊夢:...バカ
    私が言う前に言いなさいよ
 
おぉぉ!レイマリ最高ぉ!
 
花火の音を超える歓声が突然境内に響き渡り、意表を突かれたように驚く二人
進展しない二人の行く末を住人達も心配していたようで、寝たフリをして様子を窺っていたそうだ
その代償として、とある少女の逆鱗に触れる事になる事も知らずに…
 
 霊夢:…あんた達ぃ
    この私を出し抜くなんて良い趣味してるじゃないの
    上等よ、全員今すぐ境内に出てきなさい!
    こんなバカげた事を二度としないよう夢想封印でそのねじ曲がった根性を叩き直してやるわ!!!
魔理沙:あぁあ、何か色々と拍子抜けしちゃったな
    まっ、この締まらない感じも幻想郷らしくて良いけどなw
 
(ありがとな、霊夢 霊夢と少しでも肩を並べて異変解決出来るように私も頑張るからな!)
 
こうして、花火大会が終わった後も、弾幕ごっこという名の二次会が朝まで行われたが、その代償として、博麗神社が倒壊寸前の悲惨な姿になってしまっていた
更に、二人の関係性についても「レイマリ結婚報道」と称して幻想郷中に広まり、住人達の熱が冷めるのにしばしの時間を要したのであった
 
ところで、今回の異変の首謀者であった永遠亭組についてだが、迷惑をかけた罪滅ぼしとして、幻想郷中を駆け巡り、住人達の健康に従事したらしい
その功績から「幻想郷のかかりつけ医」として後に仲間入りを果たしたそうだ
幻想郷は全てを受け入れる
こうした罪人達すらも暖かく迎えるくらいに

 

「好き」以外にも「ありがとう」や「ごめんなさい」といった言葉は、伝えておかないと一生の後悔として心に残り続けます

今作は霊夢と魔理沙がたまたま両想いで、かつ霊夢から告白してもらえたという設定で物語を作りましたが、こんな都合の良い奇跡はそう滅多に起こるものではありません

自分から行動を起こさないと、伝わるものも伝わりません

後悔する事がないよう、大切な人にこそ、その思いはきちんと言葉にのせて伝えてあげて下さい

それが、この動画を通じて僕が皆様に届けたいメッセージです

 

追記:東方Projectの原作を基に制作した二次創作品です

 

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ニコニ・コモンズ(東方自作アレンジをDL可能)