時系列的には大学の非常勤講師の職に就く前の話である。
なぜ俺が刑務所に入れられたか。
詳しいことは覚えていないのだが、とにかく俺はある朝目覚めたら独房の中にいた。
こういうこともあるかと思い最初は気にも留めなかったが、独房で目覚めてから1ヶ月ほどが過ぎたある日、俺はふと思った。
俺はこのまま一生ここから出られないのではないか。
何か犯罪を犯したから独房に入れられているわけでそれはそれですいませんという話だが当の俺は本当に申し訳ないくらい自分が罪を犯したという認識がないのである。
そこで俺は思い切って脱獄することにした。
脱獄は思いの他簡単だった。
俺の独房には鍵がかかっていなかったのだ。
今まで開けようと思ったことすらなかったから気が付かなかっただけで、俺の独房には最初から鍵などかかっていなかったのである。
恐らく刑務所側の不手際だろう。
後に警備担当者はこっぴどく怒られたに違いない。
とにかく、俺は群がる看守たちを叩きのめし、脱獄に成功した。
まぁ、それだけの話。