選択科目変更の勧め | 明日の風,昨日の空

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GPA1点台,論文4500番落ちのロースクール(笑)修了生が2013年司法試験に最終合格

不合格後,選択科目を変えるのはセオリー無視といわれますが,
今年,選択科目(特に労働,倒産,知財)が不振(40点以下)だった人には
自分の経験を踏まえて強くお勧めします。

何回か書いたように,
私は昨年労働法選択で30点台前半という低得点を取ってしまいました。
そこで,悩んだものの,
11月の出願時に環境法に選択科目を変更,
年末のセミファイナル模試の前あたりから勉強を開始し,
今年の本試験では,60点弱というまずまずの点数を取ることができました。

上記3科目は学習範囲も広く,
特に労働法は記憶すべき事項も多いので,
下手すれば公法系以上の負担を強いられることになります。

これに対し,環境法は行政法の基本部分と不法行為法が中心で,
出題範囲の10法についても条文を探せば解ける問題がほとんどです。

4大原則など記憶すべき事項はありますが,
労働法と比べると明らかに記憶すべき知識の量は少ないです。

また,行政法と同日であり,
要記憶事項の多くが重複することから,
記憶効率という点でもメリットがあります。

上記3科目は受験生の数も多く,
マイナー科目と比べて優秀な受験生も多く集まります。
(辰已の上位答案集掲載者の選択科目を見れば明らか)

司法試験が相対評価の試験であることからすれば,
これらの科目で好成績を狙うのは,他の科目より難しいことになります。

また,前述した学習範囲の広さからすると,
大外しして下位に沈むリスクも当然大きくなります。

これに対し,環境法受験者は試験委員が教鞭をとる,
早大ローと上智ローの学生が多くを占めています。

失礼ながら両校とも上位校とはいえず,
優秀な学生が少ないことに加え,
両校でも優秀層の多くは前記3科目に回ることからすると,
環境法受験者のレベルが,
前記3科目と比べて明らかに低いのは間違いありません。
(※過去に総合一桁の環境法選択者もいますがあくまで例外です)

このように労働法から環境法に変えるメリットは計り知れないと感じたので,
迷わず(嘘。出願直前まで悩んだ)環境法に変更しました。

選択科目をむやみに変えるべきではないという常識は,
これまでの勉強が無に帰すとか,
1から勉強するのは大変というのがその根拠なのでしょう。

しかし,これまで勉強した結果が30点台なら,
何も身に付いていないのとほとんど変わりません。
思い残すことはもはや何もないでしょう。

また,予備合格者は
11月の合格発表から本格的に選択科目対策に乗り出しながらも,
合格点を取っているように,
選択科目の勉強は年末時点で1から始めても何とかなるものです。
学習範囲の狭い環境法ならば尚更でしょう。

以上からすると,むやみに選択科目を変えるなというセオリーの根拠は
薄弱なものと言わざるを得ません。

何も環境法にこだわる必要はありませんが,
今年選択科目で失敗した人は,
来年同じ科目で50点を取れるのか冷静に考えてみてください!

楽な学習範囲と受験者層を選べて配点は民法と同じ。

選択科目のあるうちに受験できるみなさんは,
「選択」できるメリットを最大限活かしましょう!