いつまでも読み終わるということのない、目次から目にとまったページを何度でも開いてじっくりと読みたくなる一冊です。
この日のお茶は、蒼風(そうふう)という品種の緑茶。ジャスミンのような香りを持ち、ケルセチンという成分が多く含まれることから様々な効能を期待されるお茶として人気が高まっているようです。
一般的にはブレンドして仕上げられる日本茶ですが、単一品種で楽しむ花や果物のような香りをもつものもあります。
このお茶に限らず、お茶には様々なカラダに良いとされる成分が含まれていて、もともと薬用して用いられていました。
中国の神話に見られる利用のきっかけとして「神農は、人々のために一日に100近い草を噛んで薬効を確かめ、毒に当たったときはチャの葉を噛んで解毒した」という話が良く知られています。
そんな医薬の祖・喫茶の祖として伝えられる神農像が安置されているのは、湯島聖堂の神農廟。毎年11月23日に神農祭が行われているのだそう。
神農廟への入口が開かれるのは、年に一度この日だけ。
大きなイチョウの木に囲まれた小さな神農廟の前で、厳かに奏上される祝詞に耳を傾けながら現在まで受け継がれてきた歴史に想いを馳せます。
神農祭の後の記念講演は、岩間眞知子先生の「茶と医学-神農と陸羽を中心に-」。
これを楽しみに、数日前から岩間先生の著書である「茶の医学史-中国と日本」を読み返していたのでした。
牛頭人身といわれる神農の姿は、頭には牛のツノの跡があり草蓑を身に付けています。
その姿で伝えられている理由を分かりやすく紹介するところから始まり、茶の機能性だけでなく茶会という形で茶を楽しむ意味まで、とても興味深く勉強させていただきました。
「茶の医薬史」よりも肩の力を抜いて読み進められるのが「喫茶の歴史 茶薬同源をさぐる」という本。
当日足を運べなかった方や、行ったけれど人がいっぱいでよく見えなかったという方は、湯島聖堂のサイトにて過去の神農祭の様子を見ることができます。
▼湯島聖堂 神農祭
http://www.seido.or.jp/cl02/detail-10.html
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