お茶の楽しみ方の幅が広がる評茶の勉強時間 |    茶と猫と。

   茶と猫と。

  ・・・中国茶好きのお茶日記

杭州での評茶の勉強は朝9時から夜9時までの時間割でかなりきつかったけれど、行く前から覚悟はできていました。これまでも同じような時間割で、さらに夜9時以降にも補講があったので。

評茶師とは中国の国家資格のひとつで、お茶を鑑定して点数をつけ等級を判断したり、異なるランクの茶葉をブレンドして目標とする香味に調整したり、できあがったお茶に欠点があればその原因と改善策を提案したりと、その役割は多岐に渡ります。

教科書


覚悟はできていたつもりでも、やはりきつい数日間でした。通訳をしてもらえるとはいえ教科書は中国語なので、説明している場所と教科書の場所を追いかけるだけでも大変。


茶ポリフェノール、カテキンなどよく出てくる言葉はだんだん聞き慣れてくるけれど、普通の語学の勉強では出てこない化学成分などは電子辞書にも入っていないので、ノートはほとんどなぐり書き状態です。


スクリーン


帰国後にちゃんとノートをまとめておこうと思っていても、なかなかはかどりません。お茶の栽培条件のことや、味や香りのもとになる化学成分などについては、日本茶インストラクターの勉強で学んだ内容がかなり役立ちました。


茶の栽培に適した土壌のpHはどれくらいか、新芽部分の水分含有量はどれくらいかなど数字を正確に覚えておかなければならないものや、新茶に多く含まれる化学成分や古くなったお茶に含まれる化学成分などは、中国茶も日本茶も同じお茶の木からできているので日本茶の勉強で覚えたものとほぼ同じ。


おやつ


どんなにぐったりしても、ホテルに戻ったら復習というか、その日学んだことはその日のうちに覚えておかないと、数日後の試験には間に合いません。


お菓子好きの茶猫は、目の前にお菓子があればとりあえずテンションがあがるので、ホテルの隣りのスーパーでお菓子を買いこみました。結局、ほとんど食べることなく持ち帰ってきましたが。


ミルク


あまり夜更かししても翌朝の寝坊が心配だし、試験当日まで体力をもたせなければならないので、早めに起きて朝に続きをやろうとベッドに入るのですが、朝はメロンミルクを飲みながらぼんやり。


茶猫は朝ごはんは食べない派なので、いつも通り飲み物だけ。コーヒーとトーストみたいな感覚で、コーヒーとメロンミルクだったりします。


ボード


テイスティングの実習もあります。高級評茶員までは、正しい鑑定方法でそれぞれのお茶に合った評語(お茶の特徴を表す専門用語)を書けることが重視されていたけれど、評茶師になると評語と点数に矛盾がないことや鑑定したお茶によくない点があった場合、その原因や改善方法も説明できなければなりません。


筆記試験では記述式解答も多く、より深い知識が必要となり、また実技試験は自分の中に蓄積されてきた香味の記憶だけが頼りです。


アイス


部屋に戻ったらアイスを食べたりお菓子を眺めることでリラックス。どの試験もそうですが、試験に合格することはゴールではなくスタート地点なのだといつも思います。


このスタート地点から、もっと深く知りたいという好奇心や知識欲を満たすための勉強は、好きなことを追求する楽しい時間に変化していきます。


新茶に含まれる香り成分青葉アルコール(青叶醇)や、ほうじ茶などにもふくまれる香ばしい香り成分ピラジン(吡咯)など、こういう中国語を調べられる辞書があればいいのだけれど、どこでどんな辞書を探せばいいものやらさっぱり分かりません。


化学的背景を意識しながら飲むお茶もまた楽しいものです。知識が深まるにつれてお茶の楽しみ方の幅も広がるので、気付くとまた次の試験を目指してしまうのかもしれません。


~ご訪問ありがとうございます~

にほんブログ村