放浪者(1918)


  地球の
  どこへ行っても
  家に帰った
  ということが
  ない

  新しい
  風土に
  出あっても
  すぐ
  倦きてしまう
  これも
  いつか どこかで
  嘗めつくし
  という
  記憶がまといつく

  おれは 外国人なのだ
  と いつも 離れてしまう

  生まれたときから
  垢にまみれた 時代
  をいくつも負い続け

  一瞬でいいから
  本来の
  いのちを味わいたい と

  無辜の
  国をさがしている


ジュゼッペ・ウンガレッティ「放浪者」、55~57ページ)
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