ある日、学校帰りに喫茶店に寄ると変なヤンキーグループが1つのテーブルを囲んでいた。
僕は気に留めずにその前を通り過ぎてゆこうとすると「〇〇じゃないかー」と、誰かに声をかけられた…
振り向くと「俺だ、俺！」
目の前に見た事もない、眉やオデコの生え際を剃り込みパンチパーマのヤンキー。
ボンタンに革靴、ヨレたシャツ…
「だれ？」
「俺だよ。〇〇だよ〜」
???
「え〜⁉︎〇〇？」
それは中学時代の同級生で、〇〇会社の社長の息子。当時は身長も低く、小太りで黒髪の七三の髪型。皆から嫌われていたが、悪いヤツでは無かった…
しかし今、目の前に立っているのは明らかに別人…
一体どんな出来事があれば、こうも変われるのだろうか…と考えている時も彼の言葉は続く…
おー、オメェバイクに乗ってんのか？
俺も今バイク乗っててさぁ…
僕のヘルメットを見て、そう判断したのだ。
オメェ何乗ってんの？今、何してんの？
と喫茶店の通路で立ち話…
彼は俺のバイクを見てくれ、と、ばかりに駐車場へ誘った…
そこにあったのはRG250E！
僕がバイクを買う時に迷った1台だった。
当時250では最高のスペックだった…
シートはあんこ抜きしてありセパハン。
バックステップ…
明らかに走りの為の改造である。
彼は目の前でアクセルターンをして見せた。
凄い…僕はドノーマルなバイク。アクセルターンなどやった事もない…
完全に意表を突かれた…
すると彼は今度一緒に走りに行こうぜ！
と…
僕の心臓は高なっていた…
RG250…一体、どんな走りなのだろう…
次の日曜日に僕らは待ち合わせをし、一緒に走る事になった…