続きましてのご紹介。

「MAY」は斉藤由貴さん8枚目のシングルで、1986年11月19日発売。
当初はレコードでしたが、1988年4月29日にCDも発売されました。

ちょうど、CDに切り替わる時期だったのですね。


作詞した谷山浩子さんも、のちにセルフカバーされてます。


谷山浩子さんはあまり詳しくないのですが、幻想的な独特な世界観のある歌を作る人だと思います。

この曲も内気な女の子が、とても好きな人に上手にささやかな言葉も言えなくて悩んでいる、可愛いけど現実によくありそうなシチュエーション。
しかしどこか夢の中に逃げ込んでいるような、好きな人と一緒にいる今の方が夢なのかと錯覚するような、幻想と現実が混ざり合ったような不思議な歌になってます。

「MAY」というと、普通は5月のことですね。

この歌の中では主人公が内緒で相手を「MAY(メイ)」と呼んでいます。
歌詞の感じだと相手の本名ではなく、勝手につけた名前のように聞こえますが、この名前的に相手が男性なのか女性なのかはっきりしません。
それもまた非現実感をあおっているのかも。

音楽自体もオルガンかな?やわらかな音色が全体を包むように流れていて、そのまま異世界トリップしてしまいそうなメロディです。

ちょっとカリカリイライラした時に、現実逃避したいときによく聞いてました、私。


ちなみに、この曲は槙原敬之さんが音楽家としてのルーツミュージックとして挙げていらっしゃいました。

アイドルの女の子を大事に育てて一流シンガーにした、その象徴のような素晴らしい楽曲だ、とのことです。
確かこういうことを言っていたような…。


女優もやっていた斉藤さん、映画「恋する女たち」の主題歌でもありました。
B面の「追い風のポニー・テール」も挿入歌に使われておりまして、私はこっちの曲もシングルで良かったんじゃないかと思うくらい好きです。

映画見たのですが、斉藤さん演じる映画の主人公の女子高生はMAYの歌詞にあるような言いたいことを恥ずかしがって言えないようなタイプではなく、むしろはっきりしてる子でした。
「追い風のポニー・テール」は恋に真っ直ぐな積極的な女の子が、出会って恋して近づいて、でも失恋してとっても落ち込んだけど髪切ってすっぱり立ち直った、といった、一連の恋の始まりから終わり、後日談まで一曲の中で収めちゃってます。

主役の子にはこの「追い風のポニー・テール」の方が主題歌としてあってるんじゃないかとも思えたのですが、達観してるような大人びた女の子にも「MAY」のような部分があるという、複雑な乙女心が垣間見えるいい感じの映画と主題歌でした。


因みに曲とはあまり関係ないですが、この映画「恋する女たち」は若くして亡くなった菅原文太さんの長男・菅原加織さんのデビュー作でもあります。
さらに、今は秋元康氏夫人の高井麻巳子さん、二代目スケバン刑事の相棒・ビー玉のお京を演じた相良ハル子さん、若かりし柳場敏郎さんや、この頃からいい意味で変態チックな小林聡美さん等、そうそうたるキャストでした。


この曲を歌っていたころの斉藤さんは、すっかり一流芸能人として実力派な活躍をしていました。
でも、今も崩れていない、彼女独特のふわっとしたやわらかな雰囲気はそのまま。
素敵なお姉さん、あこがれましたです。


♪   MAY    斉藤由貴