今日、実家へ向かうバスに乗った時のこと。

進行方向右側の一人席に座っていたところ、前に座っていた男子高校生が、何やらごそごそ。

どうしたの?と声をかけたところ、パスモを落としたとのこと。


つづく



つづき


最初は高校生と私だけでヒソヒソと、地味に周辺を覗いてみたのですが見つからず、私も高校生も席を立って舌を覗きこんだので、周りのお客さんも異変に気づいて心配そうにこちらを見ている視線を感じます。


しかしなかなか見つからない。


横向きに並んでいる優先席の妙齢のご婦人たちも、座りながら前を覗きこんでヨスを見てくれています。


私も「そちらから見えますか?」と声をかけてみたりして、でも見つからない。


私は途中、しょうがないかと思って、あとで席を外して探してもらうしかないかもしれないと「現金はあるの?」と聞いてみたら「あるけど、定期も入ってる…」


パスモだけじゃないかったんかい!(一体型か?)


とうとう床に膝をついて必死に探し、とうとうありました!


高校生の座った席の下にヒーターのボックスがあって、その上になぜか乗っかっていたのです。

狭くて暗くて見えなかったっ



車内、一斉に「ああよかった~~あ」と、声には出さずも安どのため息。


ちょうどその時、高校生の降りるバス停がアナウンスされました。

なんというタイミング!間に合ってよかったねえ。


高校生は安心したのでしょう、ちょっとはにかみながらちゃんと私と周囲にお礼を言って、バスを降りて行きました。


私も自然に周りの人と「よかったですねえ」と言葉を交わし、自分が降りるときにも笑顔で会釈し合って別れました。


普段の通勤バスではそうそう周りの人と話すなんてありません。

それが、この一件でなんだか車内中ほのぼのとして、あいさつし合って降りていくというささやかなコミュニケーションができました。


後で気づいたのですが、本来ならバス走行中は危険なので、むやみに席を立つことは運転手さんに留められます。


ただ、気づいていただろうにあえて何も言わず、カーブなどもいつも以上に丁寧に運転してくれていた気がします。


私が降りたとき、一瞬にこっと笑った運転手さんも、気遣ってくれていたんですね。


走行中に立ち上がって探し物、という行為自体はよろしくないのは承知なのですが、その場の雰囲気はとても貴重なものだったのじゃないかと思います。



♪夢の中へ 斉藤由貴