最初に書くお話は何が良いか、色々思案していた。
やはり書くなら、今まで生きてきた中でも飛び切りの感動を与えてくれたお話から書くのがよかろうと思う。
で、最初のお話は彗星のお話です。
1996年に地球に最接近した百武彗星。
これを観に行った時のお話しです。
1996年当時、私はディズニーランドのある舞浜から少し離れた行徳という所に住んでいました。
入社して3年程経った頃で、筑波から程近い所にある会社のメイン工場の寮に居る同期の友人と一緒に遊ぶのが日曜日の過ごし方でした。
この日は百武彗星の最接近する前日で、彗星観察しに行こうと決めていました。
車にテーブルとパイプ椅子、登山用に使っているコンロと紅茶を持って、いざ友人宅へ。
夜になってから、筑波山のケーブルカー乗り場駐車場へ車を乗り入れると、何人ものアマチュア天文家さん達が自前の望遠鏡で百武彗星を観察していました。
乗り入れた駐車場は、駐車場を照らす外灯が点灯していて、観察には少々適さない感じでしたが、それでも肉眼で見るような私たちには十分な条件でした。
空を見上げてみると、とても良い天気で、たしか月も見えていたような気がします。
一杯ある星の中で、どれが百武彗星なんだろう?と思いつつ、手近にいた望遠鏡を覗いている方に聞いてみた所、望遠鏡を覗いていた顔を上げて、天頂に程近い斜め上方向を指差して「あれ!」と教えてくれました。
見ると普通の点みたいな星と違って、明らかに丸い形が分かる程の大きさで淡く輝く星がありました。
そこから、天の川のように白い道が大きく広がって、全天の何分の一くらいだろ?びっくりする位広い範囲で尾が全天を覆っていました。
あまりに大きいからそれが彗星だと認識できず聞いてしまいましたが、教えてくれた方は「あれが見えないの?」位な感じでした。
想像できます?
天頂を見上げてその1/4だか1/5位が彗星の尾っぽに覆われているさまを!
(因みに、私はプラネタリウムで何度か百武彗星を見たことがあります。運が良ければ、プラネタリウムで行われる彗星特集なんかを見に行けば、全天のどの位を彗星が覆ったのか見られるかも知れませんよ。)
親切なその方は、望遠鏡も覗かせてくれました。
見ると、青白いような若干緑っぽいような穢れない清楚な感じで輝いていました。
ネットで百武彗星を検索すると、いろいろな写真が出てきますが、私の記憶にあるイメージはこちらの方のブログにある写真が結構ちかいです。まあ、古い記憶なので、記憶を改ざんしてしまっている気もしますが...
http://at-h.net/~has/blog/01/2008/09/post_393.html
今まで、彗星は幾つか見てきました。
その中で、肉眼で彗星の尾を直接確認できたのは、3つ4つ位でしたが、その中で百武彗星はダントツに大きな尾と輝きを見せていました。
暫く、その駐車場で観察していましたが、
どうせならもっと暗いところで見ようということで、駐車場を出て、その駐車場へ続く道の途中へ車を止めて、その路肩にあった駐車スペースでテーブルを広げて、その場でお湯沸かして紅茶を飲みながら2時間位のんびり過ごしていたのを良く覚えています。
道の片側は岩壁で反対側は崖の山道。
崖側は背の高い樹木が道沿いに生えていて、空を見上げるには不向きなその場所は、ちょうど彗星の部分だけ開けていて、周りには明かり一つ無い絶好の彗星観察スポットだったのですが、事の外彗星の移動が早くてちょっとずつ移動しないと彗星が樹木にかくれちゃって、数十分おきに二人でテーブル持って移動していたので、気付いたら、車から100m位離れていました。
気付くと、私たちと同じように車を止めて彗星を見ている方がちらほら。
お金を使わずに上を見上げるだけで味わえる超巨大な芸術。
自然ってホント凄いですね。
私が生きている間にこれほど接近する彗星がまた現れてくれるのだろうか?
百武彗星に興味を持ったら、ネットでちょこっと検索してみてください。
びっくりする位、百武彗星についてブログを書いている方が沢山いるのが分かります。
この方々みんな自分が見た感動を伝えたかったんだろうなぁ...って思います。
そんな方々のUPしている写真を見ると、あの時の感動の一端が垣間見えるかもしれません。
私も、天文写真を撮る趣味を持てば良かったかなぁ。
夜空は、これからも万人に素敵な天文ショーを見せてくれます。
是非、みなさんも空を見上げてみてください。
素敵な偶然が待っているかもしれませんよ。