父の事…思い出す。 

離れて住んでいた父に対して、
私なりには頑張ってきたつもり…

なので、あれもこれもしてあげたかった…なんて思うことはないけど…

でも、たまに胸がキューンと切なく思い出される事がある。

不器用な父だったから、愛情表現がヘタだった。

早くに親元から独立したから、
家族のあり方、子供の可愛がり方を知らなかったのかもしれない。

今思うと、父なりに母や私のことを心配し、
大事にしてくれていたんだなぁと痛感することがたくさんあるもの。

無骨な人だったから、感情表現もヘタだった。

父が亡くなるちょうどその日、
父の元に行き、足のマッサージをしてあげたっけ。

「一緒に行ったハワイの海は綺麗だったなぁ」と、遠くを見るような目で言うので、
「また行こうね」って約束した。

「お母さんのこと頼むよ」って言うから、「任せて」って言った。

「じゃあ、東京に帰るね」って帰ってきたら、
父がその夜に亡くなった。

父は、悲しい瞬間を見せたくなかったんだろう。

母にも私にも。

一睡もせず、翌朝、鶴岡に母を連れて行けたけど、
もし前日、私のいる間に父の具合が悪くなっていたら、
私は東京に帰れず、
母は飛行機のチケットさえ買えなかったと思う。

なんだかんだ言っていても、父は、母をとっても大事に思ってたのね。

なんだか、父の気持ちも少しはわかるような気がする。


今夜は、父が、目の前で優しく笑ってます。