現在、明日の東京楽に向けてLILIUMをBGMにこの記事を書いています。
TRUMPシリーズは
・D2版TRUMP(TRUTHのみ・円盤)
・初演版TRUMP(Ust配信を途中からなので半分は見れていない、確かTRUTH)
・LILIUM(円盤)
・SPECTER(円盤)
・二輪咲き(円盤)
・ナッポス版TRUMP(T,R両方。ここから生で観劇してます)
・グランギニョル
と、一応円盤になっているものは全部観ている状態で挑んでおりますが。
何と言いますか…しんどかったです。
知ってたけど!知ってたけど…!という感じでした。
もともとTRUMPシリーズにハマったきっかけがLILIUMの評判を聞く→行けそうなのが東京楽しかなかったため結局生では観れず→円盤が出るまでに関係があるらしいTRUMP観よう、という流れだったのでLILIUMはなんとなく特別感がありまして。
2014~2015の間に死ぬほどLILIUM観ていた繭期なのですよ…だから余計にきつい。
あとはじめての繭期の日に外出していたため、D2版TRUMPのREVERSEを観ていなかったことを後悔。
それではネタバレだらけの感想はこれから。
【簡易ネタバレ】いろいろ燃えます
8/26マチネを観劇。
ネタバレはシャットアウトしていたので本当に何も知らない状態で観た形です。
SPECTERパンフに記載されている年表の時点で「マリーゴールドが母親を殺害してクランにやってくる」という結末だけは書かれていましたが。
正直その情報とLILIUMでのマリーゴールドの様子を考えると母親には疎まれていると思っていたんですよね。
だからこそ、この話が愛の物語だったことに驚いたし、結末が悲しくて仕方ない。
シリーズを全部知っていると、なんというかミスリードがまったくない、そこそこ予想がつく状態で大筋は進むんですよね。
その予想がつく状態でだいたい想像できる悪い方向に進んでいくっていうのが本当にしんどい…
以下キャラごとに感想
・アナベル(花言葉:『ひたむきな愛』『辛抱強い愛情』)
娘を愛するが故に永遠の命を求めてしまった人。
とても強くて気高い女性だけど、だからこそ一人で抱え込み結果的にヴァンプ社会の触れてはいけない部分に触れてしまう人。
ガーベラを家から一歩も出さなかったのも愛情ゆえだし、エリカにもヘンルーダにも愛情はあったのにすれ違いっぱなしなのが…
ダリ・デリコを名乗ったのはどんな意味があったんだろうなあ。単純にヴァンプ社会の歴史的有名人物だったからなのか…
ひたむきにガーベラへ愛を向けて、たったふたりで生きていくことも厭わなかった人。
共依存に近いのかもしれないけれど、ガーベラもそれを受け入れていたからこの二人にとってはそれが幸せだったんですよね。
だからこそ、ガーベラの短命を受け入れられていれば、その瞬間まで母親として愛し続けることを選んでいれば…と思えてならない。
今回ライネスが流れるタイミングがわかりやすい惨劇ではなく「アナベルがガーベラを否定した時」なのが、本当にアナベルはガーベラの全てだったんだなあ…と。
後天的ヴァンプ化した際にイニシアチブを握られ言わされていた言葉とはいえ、その直前にガーベラが掴んだ希望を打ち砕く役割を担わされてしまうって…
その前にずっとアナベルが与え続けてきたひたむきな愛が、LILIUMでは忘れ去られている。
イニシアチブによって言わされた「あなたを産んだのは間違いだった」という言葉だけが残っているっていうのが悲劇。
そして最期に伝えた願いは正しくは伝わっておらず呪いとなってしまったのではないかと…その言葉は覚えていなくともガーベラは手をとってくれるたった一人を求め続けたのだから。
・ガーベラ(花言葉:『希望』)
なんというか、この話は「ガーベラがマリーゴールドになる話」でしたね…
LILIUMでのマリーゴールドの行く末を知っているからこそ辛さが倍増する。
繭期の症状に苦しみながら屋敷に閉じ込められて暮らしていたけれど、それでもアナベルが自分を愛してくれているとわかっていた。
エリカが自分のことを憎んでいるのは知っていたけれど、それでもアナベルに愛されているのは自分だと言う優越感があった。
ガーベラもアナベルさえいればそれでいい、たったふたりの世界で満足していた。
そのふたりの世界で命が尽きることも恐れてはいなかった。
ソフィに「永遠なんてクソ食らえよ」と告げるあたり、ダンピールという部分を除いてもきっとソフィとガーベラは似ていたんだろうなあ。
アナベルが与え続けた愛によって自らを希望だと信じられたのに、その直後にアナベルによって否定される。
それが本心じゃない、イニシアチブによって命令されていたことだと知らないままに、自ら『マリーゴールド=絶望』を名乗ろうと決めてしまったことにこちらも絶望ですよ。
LILIUMでは『嫉妬』の面が強く出ていたマリーゴールドでしたが、この名前を名乗ると決めた瞬間から『絶望』の中で生きていたんだなあ…
・コリウス(花言葉:『かなわぬ恋』)
コリウス…お前…!ごめん絶対ガーベラ殺しに来ると思ってた…!
好奇心からアナベルに近付いたのにいつしかそれは恋心となり、だから最初は共犯者であろうとした。
そして彼女を縛り付ける鎖、迫害の原因となるガーベラに憎しみを抱き排除しようとした。
正直このままコリウスはガーベラを排除する側に回ってしまうと思っていたのに、ちゃんと愛情に戻ってくるって。
アナベルを愛しているからこそ守護者であろうとして、もっと早く出会っていればと最期までかなわぬ恋を抱えたまま命を落とす。
思った以上に良い男でした…ごめんなほんと狂ったまま終わると思ってて…
・エリカ(『孤独』『寂しさ』『裏切り』『幸せな愛』)
アナベルの執着とガーベラへの憎しみを最初は隠そうとしていなかった人。
9歳も歳の離れた、幼いころから自分を守ってくれたアナベルがきっと全てだったんだろうなと思います。
だからこそ、幸せだった日々を壊したヴァンプの子が憎かった。
幸せだったころの家族の形を元に戻すことだけを考えていた。
だけどその憎しみも全部認めたうえで、新しい幸せのかたちを探そうとできるってすごく強い人だなあと思います。
なんというか、姉妹揃って強い女性だったんだと…あんなに憎んでいたガーベラのことを最期まで守ろうとするくらいに…
・ソフィ
ど う し て こ う な っ た
いやLILIUMからずっと思ってるんですがねこれは。
絶対ミスリードであってただの人間だろハハッとか思ってたんですよ役名発表された当時は…そんなことはなく完全にソフィ・アンダーソンだった…
永遠なんてクソ食らえって言葉を投げつけられるって、ガーベラに「クラウスと同じことをしている」ということをはっきりと提示されたのは本当にキツかったんじゃないか…
バッドトリップでクランの幻覚を見たり、紫蘭や竜胆に否定される幻覚を見たり、星に手を伸ばしたり…どんどんクラウスに近づいてますね…
それだけ2800年の孤独は苦しいものだったんだろうね…狂ってしまってもおかしくないでしょうねクラウスこの野郎。
ここで「TRUMPなんかじゃない、僕はただのFALSEだ」と叫んだことでファルスと名乗ることにしたのかなあ。
一緒にいたウルが違和感なくソフィを呼んでいたわけだし、これまではソフィ・アンダーソンと名乗っていたのだろうか…それともあくまでイニシアチブなのか…
ある意味この悲劇の引き金とも言えるけど、アナベルがこのままいろいろと調べてしまえば疑似クランは終わってしまうわけだしね…
しかしなぜわざわざガーベラを疑似クランに連れてきたのにあんな扱いしてるんですかソフィさん。クランでも迫害するならそっとしといておやりよ。
・ウル
ソフィがソフィ・アンダーソンだと普通に名乗っていたのに「ウル」としか名乗らなかった人。
ソフィの正体がソフィ・アンダーソン本人だろうと確信してからずっと「じゃあウル誰だよ」って思ってたんですが。
お、お前かよキャメリア…!ウルごっこって、ちょっと待ってほんと。
何年くらいソフィはキャメリアを使ってウルごっこしてたんでしょうね…単純に『ダリ・デリコ』のところに行くから『ウル』を連れて行ったのかもしれないけれど…
ウルごっこの素体にするくらいにはキャメリアのことを友達っぽく思っていたのか、それとも誰でもよかったのか。
LILIUMでは監督生としてそこそこ近くにいたわけだし、多少はキャメリアに情があればいいなあとは思うんですが。
でも『ウル・デリコ』には誰もなれないんだろうなあ…本人がいなくなってから親友と呼ぶなんて…
・ベンジャミン(花言葉:『永遠の愛』『友情』『信頼』『結婚』)
花言葉をめちゃくちゃ裏切るような、私怨でダンピールを殺しにかかってくる血盟警察。
息子を殺されたのは同情に値しますが、確かにパンフに書いてあった通りこの人のやったことは許されてはいけないんですよね。
ダンピールに恨みがあるのはわかるけれどやりすぎたというか。
街の人たちを扇動してガーベラを殺す、なんて大仰なことをしなければ、全滅までにはならなかった可能性があるわけで。
悲劇の引き金を引いたのがソフィなら、加速させたのはこの人なんだよなあ…
・ヘンルーダ(花言葉:『悔恨』)
かつて疑似クランから逃げ出した繭期のヴァンプにしてガーベラの父親。
正直、アナベルとガーベラを連れて夜逃げすれば幸せになれたんじゃね…?と思えてならない。
遠くの人間種の街へ逃げてしまえばバレなかったんじゃないですか…?ダンピールの情報ってそんなに世界中に流れるものなの…?
ずっと父親であることを隠しながらただの主治医としてガーベラに向き合って、だけどこんなことになってしまったことを悔やんでいる。
最期までガーベラに父親であると伝えられなかったことがこの人の悲劇なんだろうなあ…
ところでクランを逃げ出して人間の里親に拾われるまでは『ヤン・フラ』として生きていたわけですが、フラ家の末裔なんです?
ということはガーベラはフラ家の血を引いているわけで、グランギニョルでオズが見た未来からすればキキの子孫であり。
キキの血がいつフラ家に入ったんだろう…ゲルハルトが養子をとって、その子が実はスペクターとなってヴァンプ社会では生きられないから泣く泣く手放すしかなくなったキキの子どもとかだったりするんだろうか…
・シルベチカ
出るとは思わなかった人その1
てっきりチェリーとクランに入る前からの幼馴染とかだと思ってたんだけど、ヤンと一緒に連れてこられたということは違うんですかね?
しれっとパンフでイレギュラーだって明かされてたんですが…まあ…リコリス…
ヤンを逃がしたのは『シルベチカ』と『リコリス』どっちなんだろう。
・紫蘭、竜胆
出るとは思わなかった人達その2
むしろこの二人についてはパンフの小説が本番。
そうか双子だったのか…なぜファルスに賛同したのか、なぜ永遠の繭期を求めたのかよくわかりました…
まだまだ取りこぼしは多いような気がしますので明日もう一度しっかりと観てきたいと思います。
