この記事を読まれる方は、『菊池病』と診断された方か、全身性エリテマトーデス(SLE)の方かと思いますが、私の記録を書き留めますので、こんな事例もあるんだと記憶の片隅に置いていただければと思います。
はじめにですが、私は、1年ほど前に全身性エリテマトーデス(SLE)と診断を受けました。が、SLEと診断される数年前に菊池病を発症していました。菊池病の中にはSLEへ移行する例もあるようで、私の場合は菊池病発症がSLEへと繋がっています。
【菊池病】 ※他サイトより引用
菊池病とは、原因不明に首のリンパ節が腫れる病気です。
20代~30代の女性に多い病気ですが、幅広い年齢の男女で発症することがあります。腫れたリンパ節はかなり痛むことが多いです。他の症状としては、発熱することが多いです。関節の痛みや皮疹が出ることもあります。腫れているリンパ節を採取(生検)することで確定診断されますが、基本的に自然に治る病気のため、癌や悪性リンパ腫など他の病気の可能性も疑われる人でなければ必ずしも生検されません。治療としては解熱鎮痛薬を飲んで様子をみることになります。ステロイド薬が使われることもあります。
私の場合、菊池病の初期症状は、首(リンパ)の腫れと、発熱、白血球減少でした。
首は、自分でも触ってわかるほどのたんこぶのようなしこりがありました。触ってもそこまで痛みはなく、最初はリンパ節の癌では??と不安になったのを覚えています。
まずは、近くの総合病院に駆け込み、血液検査、エコー等を実施して、2週間ほど様子見していましたが、リンパの腫れはおさまりませんでした。少し時間経過の記憶が曖昧ですが、最終的に菊池病と診断されるまでの間に、リンパの腫れは移転して、複数箇所に腫れが出来た記憶があります。
処方薬のおかげで?熱は下がりましたが、リンパの腫れは相変わらず継続しており、総合病院からの紹介で、大学病院を受診することになりました。紹介先は、耳鼻咽喉科です。(10人以上医師のいる大病院で、担当が教授だったので、とても難しい事例なのかとかなり不安になった)
大学病院でも再度、血液検査、CTを実施、最終的には生体検査を実施しました。
菊池病の特徴として、白血球や赤血球が軽度減少することが挙げられているようですが、私も白血球が低いデータだったことを覚えています。大体、2000代くらいだった記憶。
今はSLEの治療をしていますが、今でもステロイド服用で白血球は低め(3000)くらいです。
(菊池病を発症する前、会社の健康診断では4000~5000くらいのアベレージでした)
最終的には首のリンパの腫れは癌ではないということを確定させるため、生体検査を受けました。(何箇所か針を刺される検査ですが、ほとんど痛みはありません)
①白血球が著しく低下、②治まらないリンパの腫れ、③生体検査の結果、④他の癌、臓器異常なし、をも持って、最終的に『菊池病』と診断されました。
ちなみに、菊池病と診断されたときは、今出ているSLEの症状、顔の紅斑、関節痛等はありませんでした。腎臓等、他の臓器も炎症はありません。
治療法としては対処療法しかないと言われ、解熱剤くらいしか処方はありませんでした。
リンパの腫れが治まるのには、結局3~4ヶ月くらいかかったと思います。
普通に会社にも出勤はできており、菊池病とSLEでは菊池病を発症していた時の方が、まだ体調も良かったです。
(ただ単に歳を重ねただけかもしれませんが…)
菊池病を発症して、3~4ヶ月でリンパの腫れはおさまりましたが、そこから、私は少しずつSLEに移行して、時間経過と共に進行していったようです。
白血球の数値のみで、SLEの進行具合を判断することはできませんが、毎年、春に会社で受ける健康診断での血液検査のデータを見返してみると、面白いくらい、毎年、白血球の数値が低下しています。本当に綺麗な下降線が書けそうな感じ。
昨年、SLEの診断を受ける直前は1700くらいでした。
白血球以外で、菊池病を発症してからの変化としては、『高熱』が出るようになりました。
それまでは、風邪を引いてもほとんど熱は出ない、又は、もともと基礎体温も低いので、37℃前半くらいまでしか上がらない体質だったのに、少し風邪を引くと38℃代、39℃代まで上がるようになりました。
また、熱が出る期間も長い。若い時のように数日で治らず、1週間くらいはずっと熱が続きます。
ちなみに、私は、『菊池病がSLEへ移行する事例がある』という情報を全く知らなかったので(大学病院へ受診したときにも言われなかった)、菊池病発症から数年続く、体調不良を膠原病が原因と気づくことはできませんでした。
SLEと診断されて、はじめて、菊池病が発症の起源(可能性)にあるのだと知りました。
SLEの発症には他にも様々な要因が疑われていますので、私のパターンは稀な例かもしれませんが、今、『菊池病』と診断を受けた方がおられたら、膠原病、自己免疫疾患へ進行する可能性があるということを、頭の片隅に置いてほしいと思います。
何か、これまでと違う症状が出たり、不調が続いた場合は、膠原病を疑ってみてほしいと思います。
菊池病は医師の中でもあまり知られていない病気のようで、街のクリニックや救急搬送された際の病歴で、『菊池病』と伝えても、ほとんど知られていません。
なんですか?それ?という感じで、治療法も特にないので、気づかれることも少ない病気なのかと思います。
菊池病と診断された方は、今後経過を良く観察して、異常を感じれば早めに受診してほしいなと思います。