ムーン・フェイズ | ウォッチ ホリック watch holic  

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好きな言葉は「ひげゼンマイ」(笑)。横浜と渋谷にある時計ショップ「COMMON TIME」と               横浜元町が本店のジュエリーショップ「CHARMY」の社長のブログです。


皆さん、こんばんは。



さて、今日はムーンフェイズという時計の話をします。

ムーンフェイズとは、どのような時計なのかという

ことは、時計好きの方には、特に説明する必要も

ないですよね。



でも、分らない方の為に簡単に説明します。

月の満ち欠けの見かけの状態を、時計の文字盤に

表示してある物を、ムーンフェイズといいます。


それから・・・・・

いえ、それだけです。(笑)



あ~、あれね!!!!

そうです、あれです。(笑)


多くの方が、この説明だけで解りますよね。




そして、先日この月の満ち欠けの表示が、

実際の月の見かけの状態と、すぐにずれてしまう

という話をしましたが、覚えているでしょうか???


今日は、その謎に迫りますね。



機械式時計の凄さを堪能しようと思うと、

しばしば物理学や天文学を理解しなければならない

という窮地に陥ることがあります。(笑)



今回の、ムーンフェイズを理解するには、

当然、少し天文学の世界に入る必要が

出てくるのです。



皆さんは、月の満ち欠けの周期は、

どれくらいだか知っていますか???


ひと月が30日前後だということから、それに近いだろう

ということは、多くの方が想像できると思います。


でも、正確に言える方は、おそらく少ないでしょうね。


月の満ち欠けの正確な周期は、

29日と12時間44分23秒です。

そして、この周期を歯車で、いかに正確に表すか

ということが、機械式時計の面白さなのです。



なんだか、ワクワクしますね。(笑)



しかし、残念なことに、この周期をぴったり表す

ムーンフェイズは、今のところ有りません。


ま、良く考えればわかると思いますが・・・・(笑)



そして、多くのムーンフェイズの時計の周期は、

44分23秒を無視して29.5日(29日と12時間)

という周期に設定されています。



つまり、歯の数が59の歯車を使っているということです。

(29.5×2=59ですので、1回転で2周期分です。)

これは、良く考えれば一番効率の良い考え方なので、

ムーンフェイズの精度といえば、これ以上でもこれ以下でも

ないというのが、時計業界では常識的なことなのです。



そういったわけで、一般的なムーンフェイズの時計を

使っていると、32ヶ月に1日の誤差が生じてきます。



買った時に説明書に乗っている対応表を見ながら、

一生懸命合わせたにもかかわらず、、

気がついたときには、ずれてしまっている理由は、

こんなわけなのですね。(笑)



さて、しかしこの当たり前の周期に、疑問を持つ

ブランドが当然いくつか出てきます。


パテック・フィリップやランゲ&ゾーネ、

ジャガー・ルクルトなどの、完全自社設計の

ムーブメント製造が出来るマニュファクチュール

ブランドが、それです。



これらのブランドは、驚くことに122年で1日という

とんでもない精度のムーンフェイズを出しているのですよ。


これは、驚きですね!!!!!!



でも、もっと驚きの精度のムーンフェイズが

存在するのです。



何と!!!!!

何と!!!!!

577年に1日という誤差のムーンフェイスが

存在するのですよーーーーー!!!!



その正体は・・・・・・


IWCのポルトギーゼの永久カレンダーです。

(あのクルト・クラウスさん の設計です。)






凄すぎです!!!!!!




恐るべし、IWC!!!!!



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