第8話「セカンドステージ開幕」
せっかく高校から受験して、私立の学校へ行ったのだから、一度は会社に就職して、組織の中で社会勉強してほしい。と親に言われたのがきっかけでした。
私は面接の本を買い、リクルートスーツを着て、何社か面接に行ったのでした。
そしてありがたい事に、本社だけでも1000人以上働く、とても大きな会社に就職することができました。
その会社で毎年表彰される社長賞。賞金はなんと1200万円!でした
私が配属されたのは、商品開発部。副部長付のアシスタントでした。主にパソコンを使った事務や、チケットの手配、開発部の皆さんの書類を作成するお手伝い。
パソコンを触ったこともなかった私は、一から先輩に使い方を教えていただき、会社からはPCスクールにも通わせていただきました。
感謝しかない。
開発部は5つあり、各開発部のアシスタント達は先輩方も同期も後輩たちもみんな綺麗で、トイレには雑誌が積まれていて、ネイルやメイクやファッションの話をよくしました。
掃除時間、女子は休憩。男性の皆さまが毎日掃除されていました。
事務なのにパソコン素人の私に、開発部の皆さんはとても優しく接してくださいました。
休み時間には変な早口言葉を言い合ったり、
仕事終わりにみんなで飲みに行ったり、
夏にはみんなで琵琶湖に行ったり、バーベキューをしたりもしました。
あぁ、、、何から話せばよいのだろう。
またしても事件は現場で起きました、、、
そんなあったか〜い部署で、私は何の不満もなく、その時は何の進歩も進化も目指していなかった気がします。
ただ毎日を、可もなく不可もなく、楽しく同じルーティンで過ごしていました。
ある時、アシスタント達に、それぞれ日報の原本が届きました。
=ここに、毎日の仕事を記入してください=
私はバカ正直に、休憩時間も全部、きっちりと日報に書いていました。
次の週、私だけ上司に呼び出されました。
「来月から、管理本部へ移ってもらう」
??? なぜだ?
続く。
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